【星模様】木星と冥王星の60度★荒野へ還る | ***Walk on the light side

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銀河に煌く星たちのように

5月4日の7:18に魚座の木星と山羊座の冥王星が60度の角度を作ります。

 

通常、木星と冥王星が角度を作るときって、ものすごくパワフルな力が高まって野心的になることが多いんですね。木星が持っている社会的野心を徹底的に冥王星が推し進めるんです。


しかしいま木星は魚座にあるため、単にパワフルになるだけではないんですね。魚座は成功や達成が過ぎたあとに、残ったものを片付けて、終わらせていくことを担当するサイン。

 

山羊座と魚座の組み合わせということは、過去に構築した制約・ルール・秩序といったもの(山羊座)を、解体する(魚座)ということでもあります。

 

もともと生まれ落ちたとき、私たちはまっさらな荒野みたいな存在でした。天と地のあいだで、まだどんな経験も知識も価値観もなく、可能性だけがどこまでも満ちていました。

 

経験がはじまり、言語の刺激が与えられ、さまざまな習慣や文化やがもたらされ、環境と人間関係があり、そのなかで少しずつ、荒野だった世界に秩序やルールが構築されていきます。

 

そして環境に適応しながら、自分の足で立って歩きはじめて、いまここまで辿り着いたわけですが、経験によって築かれたものが、いまはもうそぐわなくなっているのかもしれません。

 

社会が変化して、時代が移り変わると、かつて建築したビルが老朽化したり、マッチしなくなったりするように、建て替えの必要に迫られるでしょう。

 

最後の星座である魚座は、そうして古くなったもの、終わりゆくものを解体して、更地に戻すことをするのです。

 

堅牢に建てられた楼閣が、再び荒野へと還ります。

 

そのとき、私たちは少なからず、不安を抱えるでしょう。それが解体されたら、何もなくなってしまうような気がするかもしれません。力がなくなり、信じていたものがなくなり、ただのちっぽけな子どもに戻ってしまうかのような錯覚にも陥るでしょう。

 

それで生きていけるのだろうか?

 

そこで必死になって瓦解しようとしていくビルの崩壊を少しでも遅らせようと試みて、かつての秩序にしがみついてみたり、誰かに新たな道を指示してほしくなったりすることもあるでしょう。

 

 

しかしいま、このときに私たちがとるべき態度があるとしたら、自然の流れに明け渡して、おおいに嘆き、不安を味わうことかもしれません。

 

私たちの心にとって、変わることは恐怖です。何も変わってほしくない。何も失いたくない。すべてを安定した姿のまま、古き良き時代のまま、そこに留めておきたい。

 

しかしあらゆる寿命を持つものたちは、決して同じ状態に留まることはできません。いま、この瞬間も私の鼓動は止まることなく、全身の血液は循環し、細胞が死にゆき、また再生され続けています。

 

この木星と冥王星のパワフルなコンビ­ネーションは、古くなった秩序を終わらせること…かつての生き方、価値基準、考え方を瓦解させることに、大きな力を発揮するのでしょう。

 

私たちは泣いて、嘆いて、それを見送るのです。

 

冥王という非情で絶対的な神の前に、個人の小さな意志は対抗する術がありません。

 

なくなっていくこと、手放されていくこと、変わっていくことは、とてもちっぽけな存在に戻るように感じられて、恐ろしいでしょう。大きくぽっかりと空いた穴に落ちるように思えるかもしれません。

 

だけれども、それを渋々なのか、諦めからか、抵抗しながらなのか、受け入れて、明け渡したときに、ポーンと荒野へと放り出されるでしょう。

 

それはまったくの自由で、私たちが生まれ落ちたのと同じところ。天と地のあいだで、可能性と力だけが、大いに満ちているところ。

 

そこに辿り着いたときに、私たちは新しい道がいままさに作られようとしているところに立ち会い、目撃することになるのでしょう。