各地の研究会で、ひとつずつのハウスをじっくりと深めているのですが、大阪で先日4ハウスをやりました。
毎回どのハウスをやっても「このハウス、めっちゃ大事だね」ということになるのですが、4ハウスも然り……むしろ最も大事なテーマを象徴しているハウスなんじゃないかと思えます(これも全部言ってる(笑))
おうち・家族・故郷・ルーツ・先祖・過去などと関係するこのハウスは、死や人生の終わりとも関係しています。
私たちはある土地に生まれ落ちて、死してある土地に骨を埋めることになり、そして生きた命の足跡が、未来を生きる人の礎となるのですね。高野山へいくと、20万基のお墓が並んでいてなかなか壮観なのですが、その地下にも20万基のお墓があるのだと聴いて、こうやって先人のうえに、いまを積み上げていくのだなあと、しみじみと思いました。
1日の活動を終えると、私たちは家に帰ります。そこで荷を下ろし、ヨロイを脱いで、はーーっと深く一息ついて、さまざまなものから解放されて、無垢な自分に戻って、深く眠ります。
深く眠るとき、誰もが自身のハートのなかに戻っていくので、ここがパンパンに詰まっていると、なかなか安眠することができないでしょう。4ハウスは個人のハート、深層心理も象徴しています。
4ハウスは私たちにとって、休息の家であり、英気と滋養をやしなう場所。無防備になれる安全基地であり、対外的な活動を止めることで自分のしてきたこと、外での行いを振り返り、経験を落としこむことで、次の一歩のためのまっさらなところに立つことができるのでしょう。
すべての人にそんな場所が必要不可欠で、誰もが自身の心の奥深くとつながって安らぎ、充電する時間が必要です。
ゆえに家にいることが安全でなくなると危機に陥り、代わりの安全基地が必要となります。これは誰もにとっての優先事項です。
若い頃にバーでバイトしていたのですが、そこにはよく「奥さんが寝る時間になってから帰る」という人が何人もいたものです(笑)
私も学生の頃は実家にいるよりも、近所のお店や友達の家にいるほうが落ち着いたな~と思います。これはある種、当然のことで、自我が育ってくるに従って、親の価値観との相違が露わになるからですね。家で自分らしさが否定されて、くつろげず、のびのびできないのであれば、そこはもう安全の場ではなくなってしまいます。
4ハウスのサインやルーラーを見ると、どんなものに安全の地を見出すのかを読むことができます。また4ハウスに入宮する惑星は生まれた家で体験した雰囲気や状況を示してもいますね。
私たちは無意識のうちに4ハウスのパターン……生まれ育った家がどんな雰囲気で、どのようにくつろいだのか、あるいはくつろげなかったのか、ということを覚えていて、それをいつまでも反復してしまうな~と感じます。4ハウスって月の部屋なので、注意深く観察しないと、気づきにくくもありますね。
そしてこれまた無自覚のうちに4ハウスの示す方向に安心を求めて、そこに依存するのですが、それが外の何かや誰かであると、また裏切られる可能性があります。
4ハウスが示している本当のくつろぎ、安心というのは、自分自身の内側に安全基地を作るということ。心の中心と深くつながって、そこにくつろぐこと……。
それは瞑想の深みでもあるなあと思うのですが、そのようにいつでも自分とつながることで、落ち着きを取り戻し、充電することができるとしたら、いまこの瞬間にも自分のいる場所がいつでもポータブル・ホームとなるでしょう。
内側に安全基地があるなら、地球のあらゆる場所が、誰といても、どこにいても、自分の居場所となり、くつろぎ、安心して過ごすことができます。
逆に自分自身の内側にくつろぐことがむずかしければ、世界のどこにも居場所がなく、ここは自分の場所ではない、生まれる星を間違えてしまった、早く自分の星へ還りたい……という気分になるでしょう。
ホーム、カミング・ホーム。家にかえろう。私のおうちへ。
それは世界のどこかではなく、自分の内側にしかないということを覚えておきたい4ハウスです。