ペルセポネと天王星が今の私たちに伝えていることは | ***Walk on the light side

***Walk on the light side

銀河に煌く星たちのように

占星術の小惑星のひとつに『ペルセポネ』というものがあります。これは1992年に海王星よりも遠い領域に広がるエッジワース・カイパーベルトにおいて初めて発見された小惑星であり、最初の呼び名は『1992QB1』通称キューブワン。

 

実は『小惑星ペルセポネ』は、火星と木星のあいだのアステロイド・ベルトに存在しているのですが、占星術ではこちらではなく、トランスプルートであるキューブワンのほうを『ペルセポネ』と呼ぶのが主流なんですね。ややこしや。

 

しかしペルセポネがふたつある理由として『①母親に軟禁されるペルセポネ』と『②夫に冥界に拉致されたペルセポネ』と考えると、配置的にもちょうどしっくりきます。

 

神々の王ゼウスを父に、豊饒の女神デメテルを母に持つペルセポネですが、誰にも娘を渡したくない母によって、社会から隠され、野原で軟禁状態で暮らしていました。遊び相手は精霊たちだけ。噂を聞きつけた求婚者が続々とやって来ても、デメテルはすべてを突っぱねて、娘を隠し続けます。

 

おかげでいい年になっても世間知らずのペルセポネは来る日も来る日も野山の精霊たちと遊ぶばかりです。そこへ冥界の王プルートがやってきて、ペルセポネを嫁にするためにさらっていきました。拉致監禁です。しかし別の説ではペルセポネが望んでついていったということになっています。私としては後者を推したい。自由を奪い続ける母親の監視下から逃れるために、男の力をぜひ利用してほしいものです。

 

ちなみに『persephone and hades』で画像検索すると、イチャコラしてるふたりがたくさん見つかります。美少女×冥界の王というのは、なかなかオタク心をくすぐるモチーフのようです。コスプレしてるカップルもいます。気になる人はぜひ検索を。

 

 

可愛い娘を連れ去られたデメテルは大激怒。その場にいながら拉致を止められなかった精霊たちをなじって、パイレーツ・オブ・カリビアンなどでおなじみのセイレーンの姿に変えてしまいます。セイレーンとは美しい人魚のような姿をしていて(鳥という説も)、魅惑的な美しい歌声で船乗りを惑わせて、ふらふらと惹かれてきた男たちを片っ端から食い殺してしまう恐ろしい化け物ですね。デメテルの怒りと呪いから誕生したわけですが、セイレーンにされた精霊も、それに食われてしまう船乗りたちも、モンスターペアレントのとばっちりです。

 

さらにデメテルは娘を探し回って、地上を豊かに実らせる仕事を放棄してしまったので、たちまち人間たちが飢えてしまいました。そこで困ったゼウスが、プルートに娘を返すように頼んだのです。ちなみにプルートはゼウスの長兄であり、ペルセポネからすると伯父ですね。敵は身内にあり。

 

しかしペルセポルはすでに冥界の食べ物であるザクロを食べてしまっていたので(6粒とも4粒ともいわれる)そのため1年のうち半年(もしくは4か月)は、冥界で過ごすことになりました。年の半分は母のもとで軟禁、残りの半分は夫の住む冥界に軟禁ということですね。

 

なので小惑星ペルセポネが、小惑星帯の小惑星セレス(デメテルのローマ名)のそばにあり、一方でトランスプルートのキューブワンもペルセポネだというのも合点がいく話です。

 

それではさて、ペルセポルはいったい母と夫のどちらといるときが、しあわせなのでしょう?

 

占星術のチャートのペルセポネが位置しているハウスを見ると、母親に抑圧された娘のように、自身の本領が発揮できず、力を奪われている領域がどこなのかを見ることができるかもしれません。しかし、それは無意識である限りです。その後の彼女を見る限り、夫のもとにくだったあとは、ただの弱い娘ではなくなります。そのあたり、ペルセポネには光と闇を反転させる力がありそうです。

 

ペルセポネのその後は、なかなかどうして母親譲りの激しい女性となります。まず、自分を無理やり嫁にした伯父であり夫でもあるプルートに対して、最初はつんけんしています。しかも年の半分は留守にするので、プルートもちょっと寂しくなったのか、浮気してしまうのですね。それに気づいたペルセポネ。浮気相手の精霊を「おまえなど雑草になってしまえ」と呪いをかけて踏みつけて、ミントにしてしまいました。母親のセイレーンの呪いよりはマシかもしれませんが、生き物でもなく、雑草にされてしまった浮気相手……。

 

しかし、嫉妬を機にプルートへの愛が目覚めたのか!?と思いきや、そうでもなく、あるとき、アプロディーテが送ってきた箱のなかの赤ちゃんを見て、その美しさに一目惚れ。「開けてはいけない」と言われたものを開けるのは神話のセオリーですが、アプロディーテもその赤ちゃんに恋していたのだから、話はややこしいのです。

 

この赤ちゃんが成長して青年アドニスとなると、アプロディーテが迎えにきたものの、ペルセポネは手放したくありません。金星vs冥王星の妻で、ひとりの美少年を取り合う争いが勃発し、ついには裁判へ…。その結果、アドニスは1年の1/3を冥界でペルセポネと、1/3を天界でアプロディーテと過ごし、残りの1/3は自由に過ごせることとなりました。しかし、その自由な1/3もアプロディーテと過ごすことを選んだアドニス……。

 

ペルセポネ、そもそも勝負に負けてますやんという話なのですが、それがどうにも面白くなく、アプロディーテの恋人である軍神アレスに告げ口をします。「あなたの恋人のアプロディーテは、あなたを差し置いて、たかだか人間の少年に夢中になっていますことよ」と。怒ったアレスはアドニスを殺してしまいました。死んだアドニスは冥界へ行くことになるだろうから、結局ペルセポネも若い愛人を軟禁するのか……と、いまいちモヤッとした終わり方をする話です。

 

 

今年5月にオーラソーマで新しく誕生したボトルの名前がペルセポネなのですが、なぜいま、ペルセポネなのか……そのあたりの話を聴いてみたくて、ひさしぶりにオーラソーマ・ティーチャーの真理ちゃんとClubhouseで喋ることにしました(←本題)

 

 

8月3日(火)20:00~1時間ぐらいです。ペルセポネのボトルがいま、私たちに伝えているメッセージは何なのか。私は占星術の観点から、何か話してみる予定です。ペルセポネの天体がですね、母親星のセレス(デメテル)と共に、天王星と合になっています。これ、たぶんいまの時代のキーだと思われます。チャート読むので、よかったら、見ながら聴いてくださいね。