2020年9月17日20:01に乙女座の新月です
2012年頃から海王星が魚座に滞在している影響で、近年の乙女座のシーズンはいつもより精神的にも、肉体的にも疲れやすくなりやすい傾向があるかと思います。
太陽は、太陽系の中心にあって、他の惑星たちを活気づける光とパワーの源ですが、海王星はそれを「曖昧」にして「混乱」させるのですね。
結果として、地のエレメントである乙女座が「しっかり成し遂げたい」「完成させたい」と思っても「本当にこれでいいのかな」「ちゃんとできていない気がする」という錯覚を海王星がもたらすので、普段しっかりとしている人ほど、精神的になかなか充足することなく、疲れてしまうかもしれません。
また太陽の放つ光や内側からやってくる直観まで「曖昧」にさせるので、自分の内側にある源とのつながりが弱々しくなりやすく、そのため肉体的にも消耗しやすいでしょう。
このシーズンは乙女座が持っている「きちんと成し遂げよう」という思いが満たされにくいので、あまりそこにゴールを求めないほうがいいかもしれないですね。そういった意味において太陽が乙女座に生まれた人は、近年、自分のなかに確信を抱けないことが起こりやすいかもしれません。
「どうにかしなくては」と思ったところで、海王星の時期に奮起することは、頭のなかで作り出した「まだ起きていないこと」や「強迫観念」といった、幻想の敵と戦い続けるようなこととなり、消耗してしまうばかりでしょう。
土星より遠いところにあるトランス・サタニアンの三惑星は基本的に、土星の作り出した境界や規則を壊すことを目的としたエネルギーを持っています。
私たちは安定した社会を生きるために確固とした秩序や基盤を必要としますが、天王星はそれを「覆し」海王星は『そんなものは実際にはないのだ』と定められた境界を「曖昧にし」冥王星はそれをすべて「無に帰し」ます。
これらは私たちの社会を進化させるための、そして内なる自我システムを再構築するための、重要な装置です。
今年は木星と土星と冥王星が山羊座でぴったりと重なって、過去に定められた秩序や碁盤のいくつもが機能不全の状況におかれています。
そしてさらに海王星が私たちの記憶にある、古い秩序や規則をリセットさせるのです。
もう、そのパターンをくり返す必要はないと。
過去の経験によって、愛や知性や直観や勇気や深淵さから分断されてしまった私たちが、もう一度、それらのものたちとひとつになるときがやってきたのだということを海王星は教えてくれます。
自分の持っているものの一部を封印して、あるいは自分のなかの不要なものを排除すれば「うまくやれる」と、土星が頑張ってきたかもしれないけれど、いま、私たちの社会と自分自身とを再構築するために、それらをもう一度、受け容れるときがきているのでしょう。
海王星が私たちにもたらしてくれる恩恵は、いまこの瞬間がすべてであり、この瞬間にすべてがある、ということです。
何かが「足りていない」「ちゃんとできないといけない」という気になるかもしれないけれど。
ちゃんとできないといけない。
間違えちゃいけない。
人に迷惑をかけちゃいけない。
足りていないところは、もっと頑張ってできるようにならないといけない。
本当に?
本当にそうなのかな?
できない人は不完全なのかな?
できなかったことが、できるようになることは喜びではあるけれど、できていたことが、できなくなることもあって。
すべてのものが、日々すこしずつ移り変わっていく自然の流れのなかで、ただ、そのときに自分のすべてを生きています。
私が生きているということ。
世界が絶え間なく、息づいていること。
いま、この瞬間に起きていること。
いま、ここで私が感じていること。
この瞬間に何を選択するのか。
何をして、何をしないのか。
そこには定められた未来も「こうしなくちゃいけない」というものも何もなくて、誰もがその瞬間に最善を尽くして、生きている。
いま、ここにすべてが揃っている。
いつだって、私たちが完全であることを、完全でしかないことを、生きている命を通して思い出す、乙女座の新月です。
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