2020年6月21日06:43に太陽が夏至点を通過します
春分の星の配置は1年の流れを示しますが、夏至はその中での夏の3ヵ月を表します。
この日は午後に新月、そして夕方にかけて部分日食となるためも、通常よりも大きな影響があるでしょう。
夏至図の上昇宮は蟹座の28度で、これは春分とまったく同じ配置です。
蟹座の司る「安全な場所や隠れ家」「家族や共同体とのつながり」がクローズアップされますが、支配星である月が11ハウスと12ハウスの境い目にあり、社会の流れに合わせてみんなが協力することも、そしてあまり表に出過ぎずに引っ込んでおくことが示されています。
太陽や水星も「秘密の部屋」「隠された敵の部屋」である12ハウスに位置することからも、パーッと明るく華やかに過ごす夏というよりも、内向きのおとなしい雰囲気の夏となるでしょう。
また12ハウスは最後のハウスであることから、何かが終わること/終わらせることも象徴しています。
日食というのは太陽が一度隠れて、再び姿を表すことから、これまで中心にあったものが姿を隠して、若返ることも象徴するでしょう。
これまで中心にあった物事や人物や主題などが終わっていき、代わりに新しいものが台頭するということがあるかもしれません。
これは個人にとっても、社会的な集合体にとっても同様です。
また、何か隠してきたこと、あとまわしにしてきたこと、やり残してきたことがあるなら、それらが浮上してきて、取り組むことになるでしょう。
今年の夏は海外へ旅行したり、大規模なお祭りやフェスなども中止されるので遊びに出かけたりすることが大幅に減ると思いますが、自分の内側を旅するにはとても良い時期です。
ご自身の内側を旅して、これからの時代にそぐわない不要なものを手放し、人生の真ん中においておきたいものと改めてつながりを深める夏。
時代のはざかいで、自分の中心を定める夏となるでしょう。
春分に引き続き、10ハウスに天王星が位置して、これから進む未来の方向性がガラリと変わることを示唆しています。
10ハウスは私たちがめざしていく先行きを表しますが、そこに唐突な変化を示す天王星が到来した2020年は、過去に立てた計画の多くが変更を余儀なくされました。
本来なら今の時期は聖火ランナーが走って、オリンピックまでのカウントダウンでおおいに盛り上がっていたところでしょう。
しか実際にはソーシャル・ディスタンスを保つ新しい社会の形を作ることに試行錯誤しています。
この序突な変化と共に生じたさまざまな問題に目を向けて、これを機にあぶり出されたものをひとつずつ解決しながら、新しい道を創り出す……そんな時期といえるでしょう。
危機を迎えることで、これまで見えなかった事実や背後関係がいくつも浮き彫りになったと思いますし、それはこの夏も続いていきます。
大きな社会の変革と共に、これまでの常識や価値観が変わっていくことを9ハウスの火星と海王星が示していますが、この星の流れと共に、もう手放したいパターンや、変えていきたい慣習はどんなものでしょうか?
自分や、集団を縛っているものに気づいて、これからの進む道について対話していきたいときです。
何人かの人は、これまでの人間関係が変わっていく/終わっていく体験をすることがあるでしょう。
特に長いあいだ、相手への不満や怒りや不信や行きちがいを感じてきた人は、それらの思いが大きくなって、あふれてくるようです。
しかし同時にそれらの感情は、本当に自分の求めているものに気づかせてくれるでしょう。
あなたはもっと大事にされたかったのかもしれないし、話を聴いてほしかったかもしれないし、愛してほしかったかもしれない。
でもあなたは「そうしてもらえないこと」に不満や怒りを感じながらも、その感情を飲みこむことでまた、自身に対して、同じ仕打ちを二重にしてきたでしょう。
それこそが12ハウスの司る「隠れた敵」の正体です。
私たちが世界で体験することは、自分で創り出しているのだということに、これまでよりも少しだけ意識的になり、そうすることでもっと自身の小さな声を聴くことができるような。
心の深くに潜り込み、いまひとたび自分の中心へと還る、夏のはじまりです。