2020年3月10日02:47に魚座の満月です
魚座の守護惑星である海王星が、本来のホームタウンである魚座に入宮したのは2011年頃。
海王星は165年周期で太陽のまわりをめぐるので、165年ぶりにホームに還ってきています。これが牡羊座へ抜けるのは2025年頃。
海王星が発見されたのは1846年の9月ですが、翌1847年に魚座に入りました。これが牡羊座に移動したのが1861年。
この魚座の15年のあいだに、ペリーが黒船でやってきて、日米をはじめ諸外国と和親条約が結ばれ、吉田松陰が松下村塾をひらいて多くの志士たちが学び、井伊直弼が大勢の志士たちを処刑したのちに桜田門外で暗殺され、アメリカでは南北戦争が勃発しました。
海王星が牡羊座に入ると新撰組が京都へやってきて、坂本龍馬が薩長同盟を結ばせて、大政が奉還されて、王政復古し、明治新政府が樹立します。
幕末ドラマはこの165年前の魚座海王星~牡羊座座時代が舞台となっているわけですね。
いま、わたしたちは同じ星の周期にあって、山羊座に滞在する木星・土星・冥王星のコンジャンクションにより、否応なく、これまでの土台が崩れつつあります。
これが、わたしたちにとって凶報なのか、吉報であるのか。
どんな態度でそれに臨むのかによって、この時期が大きく変わるのでしょう。
終わりと始まりを象徴する、変容の満月です。
ぴったりと太陽に海王星が寄り添い、そこに乙女座の月が向き合っています。
いま、時代の境界に立つわたしたちは、これから先の時代へと持っていくものと、ここに置いておくものとがなんであるのか、明らかにするのでしょう。
いま、わたしたちはひとつの時代の終わりに立ち会っていて、それは海王星周期の終わりと共に、250年周期でめぐる冥王星が山羊座にいることを思うと、強力なひとつの構造の終わりともいえそうです。
海王星の165年の周期あるいは冥王星の250年の周期が、ひとつの時代を象徴していることは歴史の中に見出すことができます。
鎌倉時代はおよそ150年で海王星周期、室町時代はおよそ240年、江戸時代はおよそ265年で共に冥王星周期です。
そして明治の44年、大正の14年、昭和の63年、平成の30年を経て、海王星の165年周期の終わりを迎えています。
宇宙はすべてが同じ源から発生して広がっています。それは形を変え、進化し、成熟して、消滅します。
ひとつの変化は異なる別のものに影響をもたらし、またそれは別の何かの変化をうながすでしょう。
変化し続けて、互いに影響し合っている、この得体の知れない世界の一部を、わたしたちは切り取って、そこに法則を見出し、ルールを定めて、安定した社会を創り出しています。これが土星の作り出す構造です。
わたしたちはこの構造があることで世界に適応し、生きることができますが、実際の世界は、この「限定された世界」よりも遥かに大きく、法則では計り知れない無限の可能性があり、常に変化し続けているでしょう。
ですから構造には限界がやってきて、崩壊が訪れます。
どんなに優れた為政者が定めた秩序であっても、海王星あるいは冥王星の周期を超えることができないのは、土星の作り出す構造が、真の構造ではないからです。
この「真の構造ではない構造」が崩壊する様子はタロットカードのタワーに象徴されます。
この「安定しているかのように見える構造」が崩壊するとき、恐怖あるいはパニック、怒りがやってきますが、それは外側の構造に適応してきた内部構造までもが共に崩壊することへの、エゴの抵抗です。
このタワーの前には、悪魔(デビル)がやってきますが、ここに描かれる悪魔は山羊座のパンであり、彼の作り出す構造がわたしたち自身を支配するでしょう。
構造は強い力でわたしたちの生活の基盤を支え、そこにいれば不安定で不規則な変化から守られるような錯覚をもたらします。
それこそが悪魔のささやきであるかもしれませんが、時が満ちて、この構造が崩れるときにパニックがもたらされるのでしょう(山羊座のパンがパニックの語源であるのはご存知の通り)
変容はわたしたちのエゴにとっての恐怖であり、たましいの救済です。
恐れに身をまかせるとパニックに陥りますが、恐れを見て、知覚し、なにが起こっているのかを理解することで、わたしたちのエゴの奥にある世界の源=海王星が象徴する無限の愛や希望や光や意志とつながることができるでしょう。そしてそこから本来もっている、より強固な力がよみがえるはずです。
わたしは不安か、怒りか、あるいは愛なのか。
どうか、かしこく、やさしく、自分自身と寄り添って、お過ごしください。
以下は、わたしの尊敬するザビエ・ベトコート氏からのメッセージです。
「いま、わたしたちが体験している危機を乗り越えるために個々にどんなことができるのか、教えてほしい」とリクエストを投げかけたところ、素晴らしい叡智に満ちたサジェスチョンが送られてきました。翻訳してくれた、ザビエ・ベトコート・ジャパンの持田直子さんにも感謝しかありません。
マーリさんからのメッセージを読むことは大きな喜びであり、土星山羊座にまつわる問題に対し、あなたが非常に明晰であることが伝わりました。あなたのメッセージに書いてあったように、高齢者向けの年金・医療への国家の対応や、それらに関連する経済活動が危機的側面に陥っており、その意味するところは、今となっては、権力の構造や過去の効率性が変容(冥王星)していく必要があるということです。もちろん、土星と冥王星のコンジャンクション(合)が、このことを知らしめることになりました。しかし、山羊座土星は、いかなる変化に対しても抗う仕様にデザインされた結晶化のエネルギーを表します。ですから、魚座にある海王星が、何とかしてそれを分解する術(すべ)を模索しなければならかったのです。
コロナウィルスは、権力構造の刷新をするために侵入する秘密の扉を探していました。細菌というのは、12ハウスから出入りするのですが、その領域にフィルターをかける方法は存在しません。細菌とは、力を意味し、海王星の持つ力こそが、土星によって構築された最強のシステムを分解することができるのだと言えるでしょう。
このウィルスによる死亡率が極めて低いことをわたしたちは把握しており、そして、このウィルスよりもさらに強い効力のウィルス(補足:インフルエンザ等)によって、過去に数百・数千の方々が過去にお亡くなりになりました。よって、実際の生存に対する危険レベルが最小なのであれば、このウィルスの本来のパワーの強さは、社会的・個人的混乱を引き起こす許容量をもって推し量ることができるでしょう。
コロナウィルスは、人類が、変化・変容への恐れ、飢餓への恐れ(パニックによる購買行動)、死および溶けて消失してしまうことへの恐れとつながり、それらの恐れを表現することを手助けしているのです。ここで経験するすべての恐れは、この世界の徹底的な変化を体験することからやってきています。この新種のウィルスは、恐れを合理化し、そうすることで自らが抱えるパニックを正当化することを助けているのです。わたしたちは、このウィルスと共に、わたしたち自身が傷つきやすく壊れやすい存在であることに気づいていくわけですが、山羊座土星による権力構造が、個人的にせよ集合的にせよ、わたしたちは傷つかない存在だと信じ込ませたことが、実は妄想だったということへの理解を、海王星や12ハウスが促すのです。
そうです、木星は、今起きているすべてのことの意味を見出すことを助けるのですが、その助けは、わたしたちが土星と冥王星の言わんとしていることを理解し、それに従った時のみ起こることであり、木星は、土星と冥王星の位置する山羊座の監視下にあるこということを、わたしたちは覚えておかなくてはなりません。木星と共に、この次にやって来ることもまた、政治や政治家たちによって明らかにされるであろう権力に対する恐れと怒りを伴った危機でしょう。わたしは香港滞在中に、警察や政府が「権力」という名の武器で、すでに手錠をかけられたデモ参加者たちをいかに殴打し続けたかを、しかとこの目で見てきました。あの目撃した瞬間に、わたしは、中国という国家の中で築き上げられた権力構造が崩壊することが何かしら起こるであろうと感じていました。そこには過剰というまでの(国家としての)自信があったのです。
この時期のピークすなわち本当の危機的瞬間は、山羊座に入った火星が冥王星および土星とコンジャンクション(合)する時(補足:3月8日から末日あたりまでのことをさします)で、その後、事態は徐々に収束していくであろうとわたしは考えています。
ですから、このことだけは覚えておいてください:ウィルス自体はそこまで危険ではなく、危険なのは、わたしたちが自分たちの抱いている恐れをどのように扱うか、ということなのです。そして、もう1つの重要なポイントは、わたしたちがウィルスに対してウィルスへのある種の親近感(補足:例えば「かかるかもしれない」といったような)を抱いた時に、ウイルスから攻撃を受ける可能性が高くなってしまい、そのような場合、どこに隠れてもウィルスがわたしたちを見つけてしまう可能性があるということです。つまり、ウィルスに対して(補足:例えば「ウィルスにかかるかもしれない」という)惹かれるエネルギー自体が存在しなければ、ウィルスが原因で病気になる方法自体は存在しないのです。
皆さん、決してパニックに陥りそうになる状況に屈するのではなく、知的かつ賢明な解決策が見いだせるよう、水星の手助けを受け止めようではありませんか。水星のおとめ座的側面は、健康面の回復への新しく効果的な仕組みを見出すことであり、ふたご座的側面は、新しい方法でコミュニケーションを取ることと、わたしたち自身そして次世代に対し、それを教え伝えていくということなのです。そういったことこそが、この伝染病を扱う最善の方法であり、山羊座冥王星が、わたしたちにその訪れを告げようとしている、250年かけて懸命に創り上げていく新たな時代への創造的な道筋を見出すこととなるのです。
あともう2つの点について言及しておきます。コミュケーションや情報といったふたご座のテーマにおいて、中国(土星山羊座のパワー)がいかにソーシャルネットワークサービスやウィルスの状況に関する見解等を制御しているかということです。もう一つは、ウィルスの名称として名付けられた「コロナ」という名前ですが、ラテン語では王冠(Crown/クラウン)という意味であり、これは土星(Chronus/クロノス)も指し、力・権力と関連している、という点です。
ザビエ・ベトコート