2019年5月5日7:45に牡牛座の新月です
令和の幕開けの新月は、愛と豊かさを象徴する牡牛座の月。
3月から再び牡牛座に戻った天王星の活動も広がっていき、わたしたちが実際に「豊かさを作り出していくとき」が始まるのでしょう。
地のエレメントに属すと同時に、2番目の星座である牡牛座は、わたしたちが「身体を使って、受け取ること」と関係しています。
わたしたちは日常のあらゆることを体感を通して認識しています。
視覚、嗅覚、聴覚、味覚、触覚……神智学者のシュタイナーによると12あるというこれらの感覚は「体感を通して受け取る」という意味において、牡牛座と関係しているでしょう。
牡牛座を守護する金星は「くっつくこと」を象徴するため、わたしたちはさまざまな体感を得る中で、特に心地よいと感じるものと、くり返してくっつたがり、それを楽しみます。
お気に入りの場所、風景、お店、食べ物、遊び、洋服、音楽、香り、色、触り心地……。
そういった、たくさんのものに囲まれていることが、わたしたちにとっての「生きる喜び」であり「豊かさ」といえるかもしれません。
好きなものや、場所や、行為がたくさんある毎日は、愛のあふれた日々ともいえそうです
好きな行為がたくさんあって、それをもっとやりたい、楽しみたいと思うと、何度も夢中になって繰り返します。
そうしていくうちに、どんどん上手になっていき、知識も経験も増えていくことになるでしょう。
より深く楽しむための感性が磨かれて、理解も深まり、テクニックも高まります。
そのようにして極めたものは、より自身の人生を豊かに充実させるでしょう
牡牛座は「自分の持ち物」を示しますが、そこには「物を扱う知識や技術」も含まれており、それらは自分の身体を使って繰り返すことで増えていき、より重厚になっていきます。
熟練の技や知識は、好きな物事を自ずと何度も何度も繰り返すことによって磨かれていき、その経験から見つけ出した見解や発見がそこにはあるでしょう。
その成熟した経験は、ひとりひとりが異なる磨き方をしたがゆえに、唯一無二のものと言えるかもしれません。
それを個人の楽しみとして大事にするのも良いのですが今回の新月は11番目の部屋にあり「それを明け渡すとき」「分かち合うとき」だと告げています。
「秘伝のタレの作り方を公開するとき」とでも言えるでしょうか。
もしかすると「それを手放したら誰かに真似されてしまうかもしれない。自分だけのものではなくなってしまうかもしれない」と思う人もいるかもしれません。
しかし、そんな心配は無用です。
すべてを手放し、明け渡したら本当に何もなくなってしまうのでしょうか。
正解は「より深い泉から、さらに深い叡智が湧き出してきます」
惜しみなく、すべてを出し尽くした時に、わたしたちはさらに深い、自らの源泉を掘り当てることになるでしょう。
わたしたちの身体の中には一生かけて掘り尽くしても全てを使い切れないほどの宝が眠っています。
しかし、それらは自ら発掘して磨き上げない限り、深く土中に眠る原石のまま。
もちろん、そのままそれらを眠らせたままにすることも自由ですが、もし、より豊かな人生を送ることを望むのであれば、より多くのものを発掘した方が、ずっと楽しくなるでしょう。
なぜなら、わたしたちはたくさんのものを体感し、たくさんのお気に入りに囲まれるほど「生きる喜び」に満たされるから。
そして、より多くのことが「できるようになる」ことで、それはよりたくさんのものを得ることにつながるから。
実際に知って、触れて、味わい、作り出す。
つながって、理解して、試行錯誤を繰り返し、表現する。
毎日、毎瞬、どれだけ好きなことに没頭し、その心地よさと共に過ごすことができるのか……。
好きな人たちと、好きな場所で、好きなことをして過ごすのは、人生の喜びです
そのためにわたしたちができることは、たくさん感じて、生きること。
他の何かに迎合せずに、自分の感覚に従って選ぶこと。
そのようにして積み上げ、作り上げたものは、わたしの外へ出ていくことはありません。
「秘伝のタレの作り方」を公開したところで、それを作ることができなくなるわけでもなく、むしろより一層味わいの増したタレを作ることができるようになるだけでしょう。
わたしの好きで、得意なことを、誰かが知りたいと思うかもしれない。
それを分かち合うことで、お互いの足りないものを埋め合うことができるのかもしれない。
お互いに差し出して、お互いに満たされる。
世界が愛に満ちて、豊かになっていく、美しい令和の新月です。