9月23日10:54に太陽が秋分点に至ります
ここから半年のあいだ、夜の時間のほうが長くなる季節のはじまりです。
変容の2018年の後半戦。
秋分図を紐解いてみると、この時期の方向性を示す上昇宮が射手座にあることがわかります。
わたしたちがますます更に発展していく、射手座の世界。
射手座の守護惑星である木星のテーマはワンネス。わたしたちが再びひとつに戻ることを象徴します。
その木星が秋分図においては、12ハウスの蠍座にあって、わたしたちが本来の自分自身に還るために、不要なものを手放していくことを示唆しているでしょう。
本来の自分自身とはなんでしょうか。
わたしたちはお母さんのお腹の中にいたとき、世界とどこまでもひとつでした。
母が呼吸すると、わたしものびのびとして、母の喜びは、わたしの喜びで、母の悲しみは、わたしの悲しみであったかもしれません。
ところが生まれると同時に、わたしと世界とが分離します。
それは、わたしたちにとって初めての喪失体験であり、それ以降、わたしたちは何かから切り離されたかのような不安やさみしさ、たったひとりで世界に投げ出されたかのような途方もない孤独感を、身体の内側に抱えることになるでしょう。
わたしたちは世界と馴染み、もう一度ひとつになるために、さまざまな体験を重ねて、学んでいきます。
しかし、その過程において、環境のなかでうまくやっていくために、自分の一部を隠して置き去りにすることをはじめるでしょう。
わがままだと言われないように欲求を隠し、嫌われないように本音を隠し、まわりから浮かないようにテンションを抑えて、場に馴染むことに成功します。
そうして、わたしたちは次第に自分の求めているものや、感じていることに、すこしずつ鈍くなっていくでしょう。
ところが、そうやって隠して抑えてきたものが、特定の誰かと親密な関係を持ったときに表出するでしょう。
本当はさみしかった。本当は不安だった。
その態度にイライラする。そんなことされると傷つく。
普段の生活のなかでは隠している、そんな「わたしらしさ」が、家族や恋人、親友やチームメイト、直属の上司や部下、先生と生徒といった緊密な関係のなかで、あふれ出します。
ああしてほしい。こうしてほしい。
あれはイヤ。これもイヤ。
その言い方むかつく。ちゃんと話を聞いて。
放っておいて。干渉しないで。だけど、行かないで。
わたしたちが内側で持っている思いはただひとつ。
わたしがなんであれ、なにを感じても、なにを選択しても、しなくても、どのようにふるまったとしても、いいと言ってほしい。認めてほしい。愛してほしい。
なぜなら、それがわたしだから。わたしの全部だから。
内側にあるものをすべてさらけ出すから、それにイエスといってほしい。
そうしたら、あなたのそれも、すべて受け取ります。
11月8日に木星が射手座に移行するまでの1か月ちょっとのあいだ、隠してきた本音がある人は、親密な関係のなかにそれを投影して、あふれだしてくるかもしれません。
自分を否定された怒り。尊重されなかったかなしみ。
それは溜め込むとマグマのようにぐつぐつと腹の底で渦巻くでしょう。
でも、それがわたしを完成させる、大切なひとかけらなのです。
苛立ち、不安、焦り、嫉妬、かなしみ、苦々しさ……腹の底に溜めてきたそれを受け止めるのは、誰でしょうか。
それを感じられるのは誰のハートで、その気持ちに寄り添っていられるのは誰でしょうか。
切り離してきた思いを、隠してきた本音を、気が付かないフリをしてきた欲求を、再び取り戻して、ひとつになる。
心が軽やかになった分だけ、木星が射手座に入ると、遠くへ飛べるようになるでしょう。
射手座で高く飛ぶコツは、蠍座で深く潜ること。
深く深く潜って、そこにいるわたしの一部を連れ帰ることができたら、今度は射手座で高く飛び立つことができるでしょう。
10ハウスの太陽と、山羊座の土星とが、自分で決めた約束を果たすために、ストイックに進むときだといっています。
誰もが新しい自分の道を、自分の目の前に敷いていくときなのでしょう。
他者から期待された理想や、頭のなかで創り出した理想が、あまりにもいまの現実からかけ離れていると、ますます真実から乖離してしまうかもしれません。
いま、自分のなかで起こっていること。
外の世界で起きていること。
理想とジャッジのフィルターを通してみるのではなく、ただ起こっていることをそのままハートで受け止めてみる。
いいことばかりではありません。
感じたくないこと、見たくないもの、触りたくないもの、関わりたくないもの。
だけれども、本当に見ないでおいて、いいのかな。
外の世界にある、真実。
そして、わたしのなかにある、真実。
それが最後のひとかけら。
失われた自分の一部を取り戻して、広い世界へジャンプする。
ハートのなかの、その奥に、カギをかけてしまいこんだ、わたしの一部を迎えに行く、秋の季節です。