2018年6月21日19:07に夏至です
太陽の恵みが最も強くなる陽のピーク。
太陽の光が強くなるということは、その影の濃さと長さも、反射する月の輝きも強くなるということ。
わたしたちの内側にある、陽と陰のふたつの側面。
火足り(ひだり)と水漲(みぎ)。
与える力と、受け取る力。
ふたつの極が統合されるとプラスとマイナスでゼロとなり、ワンネスの世界へと還ることができます。
わたしたちの陽の側面が意識や気づいていることだとすると、欠けているもの、気づかずにいるもの、隠しているものが陰といえるかもしれません。
それらにどこまで気づいて、受け容れることができるのか……わたしたちの道を切り拓くカギが、そこにあるでしょう。
2018年の四季図は、春分・夏至・冬至と3つのチャートのはじまりに位置する上昇宮が山羊座となります。
現在、土星が山羊座に入宮しているため、土星が強調される1年ともいえるでしょう。
土星の役割は、わたしたちの可能性を開花させて、現実世界のなかで実現させること。
完全性の象徴です。
その内側に持っている資質があるならば、それをすべて、限界値までひらかせようとするでしょう。
しかも、その開花は自分の身体を使って、一歩ずつ実現させるしかありません。
それがある種の土星の厳しさでもあるのですが、この力があるために、わたしたちは熟練し、高い技術力や知力を発揮することができるのです。
今回の夏至図では太陽と土星がぴったりと向き合っていますが、そのあいだに天王星が調停に入っています。
これまでやってきたやり方とは違うやり方で。
あるいは持っているけれど、まだ使っていない部分に意識を向けて、再び土星の鍛錬をすること。
土星は限界を定めるため、ある程度までやり続けると、あるとき成長が止まります。
そのときに、止まってしまったものを繰り返すのではなく、別の可能性に目を向けて、次はそちらの成長をうながしましょう、というのが、この太陽と土星と天王星の関係です。
いま、動きが止まっているもの、マンネリを感じているもの、なにかを変えたいと感じているものがあるなら、そちらに意識を向けて、現実のなかでアクションを起こしていきましょう。
今回の夏至図では、金星と火星がぴったりと向き合っています。
愛されることと、愛すること。
受け容れることと、打ち出していくこと。
太陽と月とは別の、もうひとつの陰陽が、わたしたちの才能を開花させることをうながします。
金星と火星は、わたしたちの自己表現と関係するのですが、ここに含まれるメッセージは【わたしたちは愛されるほどに、自分を表現できる】ということです。
もし、間違ってはいけない、うまくやらなくてはいけない、ちゃんと思われなくちゃおかしい、変なことを言ったら恥をかく……そんな思いがあったとしたら。
わたしたちは自分のなかで感じているもの、思っているもの、考えたことを素直に表現するのがむずかしくなるでしょう。
わたしたちが素直に表現することを邪魔するのは、ジャッジと恥の意識です。
内側にあるものを自由に表現するために必要なものは「なにを感じてもいい」「なにを言ってもいい」「やり直してもいい」「間違いはなにもない」といった、肯定のエネルギー。
そして、その自分を肯定するエネルギーこそが、金星の象徴。
ですから、わたしたちが自分を愛して受け容れるほどに、自由に自分を表現できる、というのが、金星と火星からのメッセージとなるでしょう。
この金星と火星をつなぐのが、新しい可能性を切り拓く木星であり、この木星を頂点にして、水のグランドトラインが現れます。
この水のグランドトラインも「受け容れていくこと」の象徴なのですが、実際の水のサイン=わたしたちの心は、受け容れがたいものを見出すと排除する質があるでしょう。
気の合わない人、イライラしている人、自分を傷つける人……そんな人がいると、わたしたちはなんとなく避けたり、あまり深入りしないようにしようとします。
傷つかないように、悲しくならないように、怒らないで済むように、そこから離れて安全な場所を確保しようと試みるでしょう。
しかし、そうすることで同時に、わたしたちの「見ないふりをしているもの」「気づかずにいるもの」「なかったことにしていること」が増えていきます。
それらは回避するほど、影となり、同時に自分の力と可能性も封印されていくでしょう。
わたしたちが自分の影を受容するためには、水の対極である風を同時に使う必要があるかもしれません。
水が「感じる質」を示すとしたら、風が示すのは「理解する質」
なにが嫌なのか、なにが不快なのか、なぜ傷ついてしまうのか「ちゃんと、聞いて、理解すること」
遠ざけるのではなく、むしろ近づいていって、そこで感じているわたしの小さな声を理解してあげること。
本当は大切にされたかったのかもしれないし、びっくりしたのかもしれない。
自分のペースでやらせてほしかったのかもしれないし、否定せずに認めてほしかったのかもしれない。
わたしが感じていること、望んでいること、そこで起こったことを嫌だからといって見るのをやめるのではなく、ちゃんとひとつずつ聞いてあげることで、そこに隠れていた小さな自分自身とめぐり合うことができるでしょう。
太陽が蟹座に至り、4ハウスに天王星が入るこの時期は、家族や一族、その土地とのあいだで気づかずにいたこと、知らずにいたこと、なかったことにしてきたことに耳を傾けていきたい時期です。
気づかないうちに、感情やフラストレーションを溜め込んでいると、それらは蓄積されて、なんらかのトラブルや災害となって表に出てくることがあるでしょう。
ルーツのなかにある、可能性や影は、なんでしょうか。
それを知ることで、家系のパターンに呑まれることがなくなり、気づいた人から力を意識的に使えるようになるでしょう。
自分の内側から、あるいは近い関係性から、あるいはまわりの環境から、なにか不快なこと、もやもやすること、うまくいかないことが出てきたら、それは気づきをもたらし、統合するためのチャンスだと思ってみてください。
不快さを通して、心がシグナルを送っています。
わたしに気づいて、と。
そこにはまだわたしたち自身が使っていない資質や力が隠されている可能性があります。
目覚めの可能性があります。
わたしが、より完全なわたしとなるための、統合へと向かう夏。
わたしたちが力強く進化して、完全性へと一歩近づくプロセスです。