2018年3月31日21:36に天秤座の満月です
激動の2018年春分を迎えて、最初の満月。
太陽と月、火星と金星という、わたしたちの内なる男性性と女性性の対比が際立つ配置です。
打ち出していくものと、馴染んでいくもの。
与えるものと、受け取るもの。
まもなく天王星が火星の守護する牡羊座から、金星の守護する牡牛座へと移動しますが、これはわたしたちの新しい時代の男性性が目覚めていき、ついで女性性も拓けていくことを示してもいるでしょう。
わたしたちはもう、誰かのように生きることはできなくて。
だけれども、自分自身の質を十二分に開花させるには、内なる女性性のフォローを欠かすことができません。
男性性を強調する牡羊座の太陽の輝きを、女性性を強調する天秤座の満月が受容する夜に、自分自身の内なる男性性と女性性について、いまひとたび、意識を向けてみてはいかがでしょうか。
有能なビジネスマンや政治家、スポーツ選手や役者やモデルなど、優れている人ほど、その個性が際立っていて、わたしたちは「素敵~!!」と思います。
才能を存分にふるいながら、個性を表現して活躍する資質は男性性の象徴。
彼らは自分らしさをはっきりと主張しながら、むずかしいテーマや課題に取り組み、結果を出すために奮闘して、成果を勝ち取っていくでしょう。
その姿は時に見るものまで夢中にさせて、惹きつけるパワーがあります。
彼らの名声は活躍の幅が広がるにつれて、知れ渡っていきますが、彼らの成功を影で支える者の名前が表に出ることはありません。
彼らの妻や母やマネージャー、秘書、サポーター、後援者、コーチなど、優れた活躍をする人の背後には、そういった人たちが多くいるでしょう。
彼らの望みに寄り添い、支え、応援し、それを実現するための環境を整えて、成果をあげるために成長する「場」を作り出し、世話をして、育む資質は女性性の象徴。
彼女たちの活躍が表で評価されることはありませんが、この影働きがあればこそ、表の働きが際立つでしょう。
卵が先か、ニワトリが先かでいえば、この場合は支える者、女性性の存在が、個人を育む環境の土台として必要といえるかもしれません。
たとえ、もし、とてもハングリーで闘志に満ちた野心の塊のような意志があったとしても、彼の意欲を環境に馴染ませること、その意欲に寄り添い、成長させること、その意志を受け容れて場を与えるものの存在がなければ、活躍の機会が得られないでしょう。
太陽が優位に働きやすいグレゴリオ暦を中心に巡っている世の中では、表で活躍している人にスポットが当たりやすく、そこをめざしていくことを推奨されるような風潮が高まりますが、光を強く輝かせるためには、強い影の働きが欠かせません。
占星術において女性性を象徴する惑星は月と金星です。
今回の満月となる天秤座の月は、その守護惑星が金星であるゆえに、この女性性の働きが強くなるといえるでしょう。
月と金星、ふたつの女性性を象徴する惑星がありますが、まず月の働きとして、太陽の活動を明らかにするための形を与えることにあります。
月は器として、エネルギーを受け容れて、支え、その活動を目に見える形として明らかにするでしょう。
「活躍したい」という野心は太陽のものですが、その思いを受けて、実現させる環境を整え、外の世界の様子に合わせて、やり方やタイミングを調整をしていくのは月の力。
時間をかけて育む力、あるいは、まわりの環境に馴染んでいく力。
この月の力が欠けていると、思いがあっても、なかなか実らず、どこでどのように自分を実現すればよいのか、迷ってしまうかもしれません。
そして、自分の個性がなんであれ、欲望がなんであれ、それを十二分に開花することを助けるのが金星の働きです。
受容あるいは無条件の愛を象徴する金星が、自分のすべての能力を開示して、ありのままの思いを表現することを助けるでしょう。
桜として生まれついたものが、そのまま桜の花として満開に咲くこと。
牡丹として生まれたものが、そのまま牡丹の花として咲き乱れること。
生まれ持った種を、それがなんであれ、のびのびと咲き散らすことを受け容れるのが金星です。
「こんなことを表現したら、おかしいと思われるのではないか」
「こんなことを言ったら、嫌われるのではないか」
もし、なにかを表に示すときに、そんな思いが去来するとしたら、金星が不在であるか、働きが弱くなっているのかもしれません。
金星はわたしたちが持っているものがなんであれ、感じているものがなんであれ、生来の姿のまま、のびのびと表現することを助けるでしょう。
そして、それが美しさであり、調和であり、アートであるというのが、金星の主体です。
もし、桜が「牡丹のようにならなければ」と思っていたら、それはおかしなことになってしまいます。
しかし、なぜか人間だけが、正しさを追い求めて、生来の自分ではないものになろうとすることがあるでしょう。
天秤座というのは、さまざまな人たちの、ありとあらゆる個性を尊重する星座です。
誰がどのような意見を持っていようとも、どんな感じ方をしようとも、それを尊重して、そのままそこに置いておこうとするでしょう。
「このように考えなければいけない」
「こんな風に感じなければいけない」
そのように一方的に押し付けられることを嫌い、誰のどんな意見も感情も、尊重しようとするでしょう。
そして、一方的に相手から正しさを押し付けられたときは、戦うことも厭わない星座です。
わたしたちは自分の中で生じる考えや感情に正否や優劣をつけていないでしょうか?
「こう考えるのはおかしい」
「これくらいできないのはダメ」
「いま感じたひらめきは間違っているはず」
「こんな感情は邪魔」
「こんな風になってしまう自分がキライ」
思考が整合性がとれないからと、排除しようとしている思いや感情を、ジャッジを超えて、もう一度見つめてみること。
わたしたちは誰も、NOと言われたくありません。
そこで起こっていることがなんであれ、ひらめいたこと、考えたこと、感じたこと……それらを受け容れる愛の力が、わたしたちのあらゆる成長と活躍を育むための基盤となるのでしょう。
思考があきらめたものを、愛で受け止めて、自分のすべてで時代の流れに立ち向かうときかもしれません。