2017年7月9日13:06に山羊座の満月です
山羊座の月に、ぴったりと冥王星が重なる夏の満月。
今年は10月10日から木星が蠍座に入宮しますが、その前兆をひしひしと感じます。
自分の内側で溜めこんでいる思いや感情はありませんか?
もし日頃から、なにかガマンしていたり、抑えていたり、感じないようにしていたりすることがあるなら、常世の扉がひらく、この時期にオープンにしておくといいかもしれません。
表が裏で、裏が表で。
わたしたちの目に見える現実は、目には見えないエネルギーの流れで作られています。
冥王星の到来で、現世(うつしよ)と常世(とこよ)をつなげる異界への扉がひらくとき。
現世は「うつしよ」。わたしたちの「内にある思い」が映し出されて、現実の世界となっています。
いつもより一歩、グッと深く踏み込んで、その内にある真実を垣間見る満月です。
満月となる山羊座と、その対面で太陽が通過中の蟹座は、どちらもわたしたちが【所属するもの】と関係しています。
わたしたちは通常、蟹座と山羊座のふたつの『場』に所属しているもの。
蟹座は住処。地球という星に生まれたわたしたちは、この地上に安全に生きていける場所を見つけ出し、家族や仲間と共に愛でつながり、助け合いながら暮らしていきます。
わたしたちはどこかの家の一員であり、どこかの国の一員であり、そして地球の一員。
この地上のどこかに安全な住処を見つけて、『地上に帰属している』という意識があってはじめて、わたしたちは安心してのびのびと生きていくことができるでしょう。
と同時に、この『住処』がたくさん集まると、それらを統合する『社会』が出現します。
これが山羊座です。
社会は同じ種族のものに秩序と義務をもたらすことで、安定した暮らしの基盤を作るもの。
秩序のない社会では、戦い、奪い合うことが横行して、人々が安心して暮らすことができません。
安心に暮らせる場所と、秩序ある安定した社会。
この蟹座と山羊座が象徴するふたつの『場』が揃っていることで、わたしたちは自分らしく過ごせます。
いまも戦乱の絶えない地域では、このふたつの機能が失われており、人々は安住の地を求めて世界を移り渡ります。
人にとって、この蟹座と山羊座が揃っている『場』はなくては生きていけないものですが、安定していると当たり前すぎて、それを手に入れるために先人たちがどれだけの道を切り拓いてきたのか、忘れてしまいやすいでしょう。
そして、あることが当然だと思って、すこしでも欠けているものがあれば、不満を感じるのかもしれません。
だけれども、この安全と安定の場は、決して誰かが与えてくれるものではなく、わたしたちが自分自身で、ここにいる人たちと共に作り出していくもの。
かつて、ここにいた人たちがそうしてきたように、家を最高に心地よい安全な場所にするのも、自分の属している社会とコミュニティを持続可能で安定したものにするのも、わたしたちの役割です。
しかもそれはひとりでするものではなく、そこに属している人たち全員で作り上げていくものでしょう。
わたしたちの個性はひとりずつ異なり、そして時代は常に変わり続け、進化しています。
自分だけでなく、自分の属しているふたつの場を、協力しあって、常にベストなものにしていくことが大切だと、山羊座の満月が示しているでしょう。
天秤座に滞在している木星が、そのためにしっかりとコミュニケーションをとることをうながしています。
同じ家に住む家族でさえ、個人の考えや在り方は異なるもの。
ましてや、大勢の人たちが集まる場は、なおのことでしょう。
だからこそ、おたがいに理解し合い、家と社会を安住の場にするためにはコミュニケーションが欠かせません。
天秤座の司るコミュニケーションは、とてもシンプルで、みんなが自分の意見を正直に言うことによって、全員が納得できる、より良いアイデアを導いていくもの。
全員の異なる意見に含まれた、共通の大切にしている価値を見つけ出して、そこからもうひとつ上の段階の結論を導き出していきます。
それを成立させるためには、全員が話し合いのテーブルについて、ひとつのテーマについて正直に繰り返し、話をすることが大切。
いま、この時期に円滑なコミュニケーションのとれる関係を家庭(蟹座)でも、職場(山羊座)でもきちんと作っておくと、秋からの蠍座木星期に他者の恩恵を得て、発展しやすくなるでしょう。
そのうえで、満月に冥王星が絡んでいる今期は変容のタイミングです。
その『場』を共有している全員が、いまの環境がそれぞれの活動をするのにベストだと感じているでしょうか?
もし、やりにくさを感じていたり、いまの時代の流れとマッチしていないものがあったりするなら、意見を出し合って、どんどん変えていきましょう。
『場』の価値を高めることが、この満月のテーマです。
そこに住む人が、しっかりと守られて、休み、自分の力を存分に発揮するための土壌を作ること。
あるいは、その場に属する人全員が、求めている成果をきっちりと出して、持続可能で発展的な社会の基盤を構築すること。
山羊座は「実践者」であり、エネルギーを促進させる火星も満月に関わっていますから、話し合ってアイデアを出すだけでなく、実際にエネルギーを動かして、形にしていくことができるときです。
いま、ここにある『場』を当たり前だと見過ごさずに、しっかりと向き合って、みんなで創り上げていく。
大国主が、常世からやって来た少名彦の力を借りて、心地よい国を創り上げていくような、冥王星と共に働く山羊座の満月です。