2017年6月9日22:09に射手座の満月です
未来に向かって走りながら、大きく矢を放つ射手座の月の夜。
満月図の上昇宮は水瓶座にあって、その守護惑星の天王星は太陽とセプタイル、土星とトラインの角度を作り、これでもかとばかりに、自由でとらわれのない世界にわたしたちをいざなっています。
まわりがどう思うかではなく、自分がどのように生きたいのかという在り方に忠実に人生をクリエイトするのが天王星の流儀。
熱い理想を実現させるために世界に向けて働きかける、射手座の夜です。
◆より意識を向けたコミュニケーションへ
ここ数年のうちに、わたしたちは自分と向き合い、自分らしいやり方や価値観を模索してきましたが、ここへきて更にもう一歩前へ踏み込んでみようと、後押しされているような満月です。
本当のことを話したら、誰かの期待に応えられなくて、ガッカリさせてしまうかもしれないけれど。
それが怖くて、自分の気持ちを隠したり、その人からそっと離れたりしてきたかもしれないけれど。
だけど自分を裏切ることはできないし、相手のことも傷つけたくないならば、勇気を出して正直な思いをまっすぐに伝えることが、その一歩となるかもしれません。
わたしたちはみんなとうまくやりたくて、つい相手に合わせてしまったり、立場を利用して相手を封じてしまったりすることがあります。
だけれども、上昇している水瓶座が求めているのは、誰もが正直な自分自身を隠さず、その個性のままで、お互いに受け容れ合い、尊重しあうことで創り上げていく社会。
その理想を実現させるのは、より意識を向けたコミュニケーションです。
今回、満月となる射手座と、その対極で太陽のある双子座は、共通して知性を象徴しています。
双子座は日常的な知性と関係しており「いかに意識を使わずに、円滑に物事を処理するか」ということに関与します。
わたしたちはこの働きによって、日常の生活に関わるほとんどを無意識の内に処理することができるため、大切な決断や仕事に集中してエネルギーを使うことができます。
しかし、たとえば初めて訪れた文化の異なる国では、食料品を買う、料理する、食事する、お風呂に入る、眠るといった、日常的な行為であっても、まずその全体がどのようになっているのか把握しようと知性が働き、ひとつひとつの様式や、使い方や、流れや、おこないを観察して、理解し、注意深く取り組もうとするでしょう。
これが射手座的な、より意識を向けた知性です。
ここでいう「より意識を向けた」とは、より集中してその情報を扱うということ。
わたしたちは日常のなかで「より意識を向けているところ」とそうでないところを使い分けています。
日常のすべてに意識を向けることは不可能ですし、意識することでうまく働かなくなることもたくさんあります。
ここでは、より意識を向けたコミュニケーションを水瓶座が求めています。
意識せずにコミュニケーションをとっていると、わたしたちはつい相手のなかに自分の影を無意識に見てしまい、相手を批判したくなったり、比較して自信をなくしたり、関係を断ち切りたくなったり、正論で応戦したくなったりするかもしれません。
これらはわたしたちが無意識に外的な情報を処理することで生じる現象です。
しかし、実際のところ、わたしたちは多様な価値観をもっていて、星座でいうなら12の意識があり、それぞれの違いがすべて揃って円をなしている存在です。
どれが正しいも、間違っているもなく、まったく異なる質が集まって、円が完成します。
それを理解していれば、わたしたちはコミュニケーションを、より意識的にすることができるでしょう。
何に頭にきたのか。
何に傷ついたのか。
どの言葉が不快だったのか。
反射で対応するのではなく、一呼吸おいて、その不快さの、苛立ちの、悲しみの奥にある本当の自分を眺めてみると『本当はもっとやさしくしてほしかった』のかもしれないし、『わたしの大切にしている価値を否定されて損なわれた気持ちになった』のかもしれないし、『自分のなかでは、その言葉は人を傷つけるときに使うものだったからショックだった』のかもしれません。
そして、そこから次に、わたしたちは何を大切にしているのか、本当は何を求めているのか、気づくことができるでしょう。
それに気づいたら、それを受け止めて、自分自身に与えてあげることで、相手に向けていた刺々しいエネルギーを、自己受容と愛のエネルギーへと変換することができます。
愛に充たされたら、更に意識的なコミュニケーションの力を使って、それを言っている相手が、本当に求めているものは何なのか…それは自分とは異なるものかもしれないけれど、それを理解することができるでしょう。
そうして、わたしたちは相互に尊重しあい、受け容れ合う社会を築いていくことができます。
そのためには射手座の、全体を俯瞰して理解する、より意識的な知性が欠かせません。
◆思ったと同時に走り出す
『これがしたい!!』と思ったと同時に走り出すのが、射手座です。
射手座はわたしたちの【運動感覚】を司りますが、これは体内のエネルギーを、何かしらの行為や動きをすることで、熱として世界に放出する一連の感覚です。
動きによって、現実の世界に変化をもたらすこと。
この射手座の運動感覚は引き寄せることと関係しますが、どんなことでも思いを叶えるコツは、思ったと同時にそちらへ走り出すことにあるのでしょう。
「おいしいごはんが食べたい」と思って、ただ座って待っていても、ごはんはやってきません。
スーパーへ買い出しに行く、レストランへ行く、家族や友達にリクエストをするといったアクションを起こしてはじめて、ごはんが提供されるでしょう。
日々の生活では、当たり前のようにおこなっているそれが、夢や理想の実現となると途端に、イメージしているだけで動けない……ということが起こります。
これも双子座と射手座の知性とも関係しているのですが、日常生活では充分に馴染んで処理できることでも、初めてのことに関しては「より広範で意識的な知性」を働かせる必要があるでしょう。
どんどん夢を叶えてステップアップする人は、思ったそばから立ち上がり、情報を集めて、その流れを理解しようと動き始めます。
大きな夢に向かう、いまここでの小さな一歩を軽やかに踏み出せるケンタウロスが、理想の未来を引き寄せるのでしょう。
◆広く、賢く、柔軟に
全体の見通しをつけて、あとは動きながら、柔軟に変化していくこと。
ひらめきで選んでみること。
仲間とつながって、正直に語り合い、意識して自分自身と相手をよく見てみること。
好奇心旺盛に学んで、軽やかに走り出すこと。
射手座の満月の時期は、広く、賢く、自由で、軽やかに過ごすことが、心地よくいるコツかもしれません。
土星が射手座に滞在するのも、あと半年ちょっと。
いまのうちに、めいっぱい視野と可能性を広げておくと良さそうです。