噂のリケ女・・・は、渦中の割烹着博士ではなく、GM社長のメアリー・バーラ(Mary Barra)女史。 元祖リケジョとも呼べる女性エンジニアの草分け的存在で、5年生の時に数学が大好きになり、応用数学に興味を持って大学では機械工学を学び、お父様がPontacというGMと関係の深い自動車会社に勤務していたことから自動車会社への就職は自然の成り行きだったそうです。
大手自動車メーカーで初の女性CEOと注目されていますが、母校の卒業式でのスピーチ やFotune Magazineのインタビュー を聞いていると、彼女が 「女性だから」とは誰も言わないだろうし、そんな問題をとっくに超越しているなぁ 、と思います。 アメリカの企業はずっと以前から管理職への女性やマイノリティ人種登用に数値目標(いわゆるクオータ制)を設けているので、 バーラ女史もGMの奨学金(GM Fellowship)を受けスタンフォード大学でMBAを修得するなど、 キャリアの早い段階で「女性だから」という配慮を受けたと推察されます(あくまで私の想像です・・・アメリカではクオータや数値目標を設定していても、誰が女性枠だのマイノリティ枠だのなどとは公表しませんし、そんな必要もありません)。 有能で、仕事に一生懸命に取り組んで私情を挟まず、体制に従順であることが会社員として重要な能力ですから、彼女は正にその勤勉さとコミットメントで重用され、昇進して来たのだと思います。 「女性だから」と「上げ底」は違うので、 「女性だから」チャンスが与えられ、それ応えて成長し、実績を上げた好例 でしょう。
CEO 就任早々リコール問題に揺れるGMの代表として公聴会に呼ばれ、証言する姿 は、とても真摯で誠意が感じられ、私ごときが評するのもはなはだ僭越ですが実に見事でした。とかくアメリカでは主張した者勝ちと言うか、強い口調で話さなければ言い分を聞いてもらえないと思われがちですが、大企業で上り詰める人はやはり、押しが強いだけではダメ でしょう・・・。
GMの経営再建中、バーラ女史は人事部門にいて、服装規定(ドレスコード)を緩和したそうです。GMにはそれまで就業規則の中にドレスコードに関する記述が10ページもあったのですが、大企業にありがちな雁字搦めの詳細な規則を緩め、 各自の役職・役割に応じて自主性に委ねることにしたそうです。それにより社員は、破たん後の会社組織の変化を肌身で感じたのではないでしょうか。
キャリアの 早い段階で責任あるポジションに就き、実務経験を積むのが重要なのは、女性に限ったことではありません。 日本でもメガバンクや証券大手が相次いで女性役員を誕生させるなど、ようやく女性活用を制度化する動き(アメリカではAffirmative Action、日本ではPositive Action:ポジティブ・アクション) が出てきました。最初は「女性だから」でも、 その後押しを受けて実力を付け、実績を示す女性が今後、益々増えることが期待されます。 バーラ女史は控えめで昇進などを会社に要求したことがなく 、生え抜きでトップに上り詰め 、「仕事に全力を傾けていれば、転職について考える必要なんてないし、給料だって自然に上がって行くものよ 」 と言っています。ですが、このご時世、一生懸命勤めていれば「給料が自然に上がって行く」企業がどれだけあるでしょうか??? 現にGMも一度は経営破綻し、経営陣の報酬カット、工場閉鎖などのリストラを行い、 多くの社員(正確な人数はわかりませんが)が解雇されています 。バーラ女史のキャリアがスタートした30年以上もの昔とは状況が変わっているのです。
経済が成長過程にある時代に、企業も経済発展と共に拡大・成長して行けるのであれば、一度入社した会社でずっと頑張って、昇進や昇給が見込めますが、低成長しか見込めず、変化の激しい時代には、会社にしがみつくこと自体がリスクなので、会社が無くなったり、放出される事態を想定してポータブル・スキルを身に着ける必要があります。
誰でも常に転職を意識するのは重要であり、労働市場の流動性上昇と人材のグローバル化は今後、一段と進むと予想されますので、当社も皆さんのキャリア形成のお役に立ちたいと考えています(いつもながら宣伝みたいなオチですみません・・・)。
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