私の行いを見習って、おのおの得意なところで事業に励んで欲しいと思っている。
そうすれば、たとえその人は自分の利益しか目的にしていなくても、その事業が正しいものである限り結果として国家や社会のためになるだろう。
だから私は、そうした志にはなるべく共感を持ち、目的を達成させてやりたいと思っている。
悪人が悪いまま終わるとは限らず、善人が良いまま終わるわけでもない。
悪人を悪人として憎まず、できればその人を善に導いてやりたいと考えている。
だから、最初から悪人であることを知りながら世話をしてやることもあるのだ。
ー 論語と算盤 渋沢栄一 ー