奈良の法隆寺はヒノキづくりで、世界最古の木造建築物です。もう1400年以上もたっているのに、いまだにびくともしません。
同じヒノキづくりでも、日光東照宮は建築後、まだ400年弱にしかならないのに、もうガタガタで、先年大修理をしました。
東照宮の柱は真っ直ぐなヒノキの木の、しかも節のないところばかりを使って、ぜいたくにつくってありました。
それにくらべて法隆寺の柱は、山から切り出してそのままの、節だらけのヒノキの木を使ってあったのです。
木には節があります。節があるからこそ、そこから枝が出て葉が繁り、木は大きく成長します。その節を生かしてつかうか、つかわないかで、千年も耐久力が違ってきたのです。
良工(優れた大工)が材木を使うとき、真っ直ぐな木は曲げずに、真っ直ぐな特長を生かして、その木が必要な場所につかいます。
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「適した材を適したところにつかう」
丸太には持ち前の性質があります。松の丸太は油をたっぷりと含んでいるから杭になり、ヒノキの丸太は真っ直ぐで香りがよいから柱になります。桐は湿気を寄せつけないからタンスになり、朴は乾燥しても割れないから下駄になります。
どの丸太をどこへ使うか。それが「気配り(木配り)」です。
木配りの上手な親方は耳を丸太にあてて、丸太のつぶやきを聞いてやります。そして、ちょっと持ち前を褒めてやるのです。すると丸太は、
「うちの親方は、オレみたいなものの言い分を全部聞いてくれた。そしてヒントをくれた。よーし、やってみよう!」と張り切るのです。
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木の幹から枝が伸びるためには、まず節という土台をつくる。そこから枝の芽が生まれてくる。したがって、節の多い幹ほど、土台がしっかりしているから強いのか💪🏼