ーーわたしは仕事をしていて、それなりに蓄えもある。もちろんお金で買えないものはある。でもお金があるから自由でいられることもある。たとえば誰かに依存しなくていい。いやいや誰かに従わなくていい。それはすごく大事なことだと思う。


ーー自分で自分を養える、それは人が生きていく上での最低限の武器です。結婚や出産という環境の変化に伴って一時的にしまってもいい。でもいつでも取り出せるよう、メンテはしておくべきでしょうね。いざとなれは闘える。どこにでも飛び立てる。独身だろうが結婚していようが、その準備があるかないかで人生は違ってきます。


ーーパートナーがいてもいなくても、子供がいてもいなくても、自分の足で立てること。それは自分を守るためでもあり、自分の弱さを誰かに肩代わりさせないということでもある。人は群れで生きる動物だけれど、助け合いと依存はちがうからーー。


「何度でも言います。誰がなんと言おうと、僕たちは自らを生きる権利があるんです。ぼくの言うことはおかしいですか。身勝手ですか。でもそれは誰と比べておかしいんでしょう。その誰かが正しいという証明は誰がしてくれるんでしょう」


「正しさなど誰にもわからないんです。だから、君ももう捨ててしまいなさい。もしくは、選びなさい」




人は儚く早く終わってしまうから美しいと感じるのかもしれない。桜のように、幸せも長くは続かない。願い続けてやっと手に入った時には、その幸せは期限付きで終わりが見えている。なんと悲しいことだろう。だけど、だからこそ美しい。その幸せを味わえたこと自体が幸せなことなのかなと思う。