船屋です。

船屋とアーニーが廻航してきたヨット、ヤマハ25マイレディEX。


こちらについては、キールのFRP巻き加工等をはじめ、先だってご紹介したとおり。


今回は納艇エピソードのお話です。

長くなりそうなので2回に分けます。


オーナーは岡山県のMさん。

ボートはこれまで乗られてきたし、今も乗られているMさんですが、ヨットは初めてとのこと。


同じヤマハ25マイレディEXが中部のほうに安く売りだされていたそうですが、ちょっと当社のヤマハ25マイレディEX

も気になっていただいたみたいで、ご来店いただきました。


「ヨットは見てもよくわからんからなぁ」なんて仰いながらも、自然とご購入の流れに…。


Mさんのご希望は、楽にセイルを揚げ降ろし出来ること。

その上で船屋が提案させていただいた中で、Mさんが最終的にチョイスされたオプションは下記のとおり。


1.フルバテンメインセイルの新調

2.標準スライダーからの変更

3.セイルパック仕様

4.ブームキッカー


1.フルバテンメインセイルの新調

入荷時のヤマハ25マイレディEXのセイルはよく使い込まれていました。

販売前に当社で修理等をする予定でしたが、Mさんは後述する他オプションとの兼ね合いから、新調を決められました。

かつ、メインセイルについてはフルバテン仕様にする。

「フルバテン」については、簡単に言うとセイルの後ろ部分(リーチ)から、セイルの前の部分(ラフ)までの全幅(フル)

に「バテン」という当て板を通すタイプのこと。

「フル」であることのメリットは、セイルがバタバタせず、しっかりと安定しながらホイスト&ドロップがし易くなる点です。

日本代表における遠藤選手のような安定感です。


フルバテンの数は4本。


2.標準スライダーからの変更


フルバテン仕様にするだけでもホイスト&ドロップは容易になりますが、さらに容易にするアイテムが


【スライダー】。


標準的なスライダーは、正直小さく、例えばドロップ中だとセイルの重みでスライダーが斜めになることで

グルーブ(セイルを装着する溝)に引っかかるようなケースが多々あります。


そこでスライダーの単価は高くなりますが、Mさんには「BAINBRIDGE」というメーカーのスライダーを

お選びいただきました。

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標準的なスライダーに比べてスライダー自体の作りがしっかりしているのと、対グルーブとのフィット面積が大きいので

セイルの重みによるスライダーの傾斜が少なくなり、グルーブとの引っかかりが軽減されます。


また、スライダーの材質が良いためか、マストとの抵抗も少なく、ホイスト&ドロップが飛躍的に楽になります。

船屋も実際にセイルをホイスト&ドロップしましたが、感激するレベルに楽ちんでした(ホイストにウィンチは不要!)。


※なお、スライダーの種類は沢山あり、たとえば「モリブデン」というメーカーのスライダーもあります。

ミニ四駆みたいに、スライダーに4輪コマが付いているタイプ。

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こちらも、標準的なスライダーに比べると、随分とホイスト&ドロップが楽になります。

BAINBRIDGEに比べると少しお求めやすい価格になります。


BAINBRIDGE製スライダーを備えたNEWメインセイル。



以前、LM30にストロングトラックを設置したお話をご紹介しましたが、ストロングトラック程では無いにせよ、

そんなに劣らないレベルになります。

単純に30ftのセイルサイズと比較するのは難しいですが、船屋的には25ftサイズのセイルですと、

エリアも小さいですしスライダーをバージョンアップするという選択肢で十分にホイスト&ドロップの手軽さを

確保できるように思います。





つづく