アーニーです。

今日はディーゼルエンジンの話。

早速ですが、

10センチ×10センチ×10センチの注入口が付いた箱を想像してください。

その箱は、外に空気を漏らせません。いわゆる密室です。ジップロックです。

ただ、箱の底は可動式で、底は天井に向かって一気に上がってきます。

その時、箱の中にある空気はどうなりますか?


そう、逃げ場がない空気は圧縮をされます。

10立方センチメートルのなかにある空気は、床が押しあがると圧縮をされます。

「あ~、もう限界!!」

と空気が思った瞬間に注入口から軽油を噴射すると、軽油は爆発し、床が一気に下がります!


【箱】を【シリンダー】、床を【ピストン】という名前にすると、ディーゼルエンジン

の仕組みの30%は理解出来ています。

つまり

ディーゼルエンジンの仕組みを一文で書くと、

「空気を圧縮させたシリンダーの中に、軽油を噴射すると、勝手に爆発する」

これが正解です。

その時の「ボンッ!!」という爆発エネルギーがきっかけで、

床であるピストンが繋がっているクランクシャフト(動力を伝える軸)がグルっと

回り(これがエンジンの回転)、エンジンとプロペラをつなぐシャフト(棒)を回転

させ、最終的にプロペラを回します。

それが、船を前に進めるエネルギーとなります。

モーターボートに多く設置されているエンジンの一つに

volvo41ディーゼルエンジンがあります。

このエンジンは4ストローク1サイクルエンジンの直列6気筒です。


まず、4ストロークから説明します。


4ストロークとは

吸入→圧縮→爆発&膨張→排気

する工程を指します。


シリンダーという箱の中で、床であるピストンが、

吸入で下がり、圧縮で上がり、爆発&膨張で下がり、排気で上がる

という工程です。

それが1工程。つまり1サイクルです。

ピストン(床)がクランクシャフトの周りを

2回転(下がり、上がり、下がり、上がり)するということ。


では直列6気筒とは何なのか。

要は

クランクシャフトにいくつシリンダーが付いているか。

ということです。

6気筒なので、6つシリンダー(箱)が付いています。

1サイクルで2回転(360°×2=720°)するので、

1気筒だと720°÷1=720°

2気筒だと720°÷2=360°

3気筒だと720°÷3=240°

4気筒だと720°÷4=180°

5気筒だと720°÷5=144°

6気筒だと720°÷6=120°

に一回、爆発&膨張しているわけです。


爆発が船を前に進めるエネルギーなので、小さい度数で爆発するほうが、

より多く爆発することになり、船をより前に進めるエネルギーとなるのです。


volvo41ディーゼルエンジンの場合

クランクシャフトが120°回転するたびに

6つのうち1つのシリンダーが爆発行程に入るわけです。


ということは、クランクシャフトが1回転する間に、(360°÷120°=)3回も

爆発してるんですね。


このエンジン、馬力で言うと200馬力のエンジンになります。

1分間に回転するクランクシャフトは、MAXで3800回転します。

※自動車で言うと、スピードメーターの隣にある回転数(タコメーターrpm)ですね。

3800÷60(秒)で、1秒当たり63回転することになります。

ということは爆発回数は

63回転×3=189回起こっているということです。


シリンダー内でこれほど爆発すると、当然【熱】を持ちます。

なんせ、1秒に189回もディーゼル(軽油)を燃やして爆発させてる訳です。

エンジンが熱を持ちすぎると「オーバーヒート」といって、エンジンが故障する

原因になってしまいます。


そう、徹夜続きのビジネスパーソンが風邪をひくのと同じようなものです。


そうならないために必要なのが、人の場合は温泉旅行や、マッサージなどの休息です。

エンジンの場合は、温泉旅行の代わりに「海水」や「クーラント」で熱くなった

エンジンを冷やします。


エンジンの冷やし方は2種類。

直接冷却か間接冷却。


ただ、長くなるので今回はこのへんで。



図入りの説明はコチラ



日産のエンジンの動画はコチラ



0:25あたりから1:30までの動画が、とてもわかりやすいですね。
このエンジンは、ピストンが4つなので、4気筒ということになります。

はじめに表示される棒状のものが「クランクシャフト」。

マッシュルームのような形をして、動き回ってるのが「ピストン」。

で、残念ながら「シリンダー」は透明になっていますが、

要はピストンの稼働範囲はシリンダーの中な訳です。