アーニーです。


ボートの動力はエンジンです(しつこい)。


当社浜寺ボートのように、長年中古のボートやヨットを取り扱っていると、


エンジンのメンテナンスについては、しっかりとした意識と知識を持っています。



船を新しく作るときの話ですが、動力であるエンジンを載せる段階は、意外と速い。


カレーを作るときに牛肉を入れるのが早いのと同じように、ボートを作るときに


エンジンを載せるのは早いんです。


何を言いたいかと言うと、エンジンを載せたあとに、デッキ(甲板)を作ったりする。


そのため


「エンジンを載せ換える」


または


「エンジンをメンテナンスする」


時のことは、船を作られている方はあまり考えられていないんです。


ということは、エンジンをメンテナンスするスペースも狭小になるし、エンジンを取り出す


のも難しいことになる。


狭いスペースというのはどれくらいかと言うと、


【両腕がやっとこさ入るくらいのスペース】


なんていうのはザラです。



で、そんなスペースでエンジンのパーツを取り替えたりすると、やはり完璧なメンテナンスは


やりにくい。


完璧にメンテナンスしていると思っていても、ヌケがあったりする。


水道のパッキンなんてものがあります。


水漏れを防ぐ、黒色をしたゴムですね。


エンジンは水や空気、燃料、オイルなんてものが循環して動いているので、あちらこちらにパッキン


があります。


パッキンと良く似たものに【Oリング(オーリング)】なんていうのもあります。


当社で以前メンテナンスしたエンジンのOリングを撮りました。


船屋のブログ

燃料タンクからエンジン本体に、燃料を運ぶ箇所のOリングです。


見えにくいかもしれませんが、一部、ヘシャげている部分が分かります。


これはなぜか。


このエンジンはおそらく、ボートにエンジンを載せたまま、Oリングを交換したと思われます。


スペースが狭小で、ちゃんと見えていないままOリングを交換したので、上手くフィットせず、


ヘシャげたんでしょう。


つまり、多少なり燃料が漏れていた可能性があります。


当社の場合、仕入れた船(ヨットも含みます)は、ほとんど全て、クレーン車を使用してエンジンを


降ろします。


先ほど言ったように、船はエンジンは降ろすことを前提に作られている訳ではないので、エンジンを

降ろすのは(おそらく皆さんが想像する以上に)とても面倒です。


デッキを外したり、エンジンルームの種々雑多な装備を外し、スペースを作ります。

そしてエンジンを、地上に降ろします。


そしてヌケがないように整備します。



当社のHPで、「エンジン降ろして整備済み」と記載しているボート。



短くも端的な一文のウラを、ヘシャげたOリングでもって垣間見ていただけると幸いです。