そんな中、
ホテルのパンフレットがたくさん出てきました。
そのパンフレットに挟まって、
ロープウェイのチケットや、
美術館のチケット、
いつ行ったか日付が書かれた箸袋などが出てきました。
全部、家族旅行の時のものです。
父にとっては、
それがいかに大切な思い出だったか、
胸に染みました。
両親はどちらも９０代まで長生きしてくれているので、
家族旅行の機会も
たくさん作れてよかったです。
八戸に戻って来た日に、
施設に寄って、
ガラス越しの面会をしてきましたが、
２週間ほど前に防護服を着て
窓を開けて対面した時よりも、
父は元気になっていました。
１月の私の誕生日の時は、
入院していたので、
私への誕生祝は
退院したら渡すから待っててと
気にかけていました。
その時は、
ちゃんと言葉も明瞭に話せたんですけどね……。
そこから急変して、
ちゃんと話せない状態になっていました。
けれども、
２２日にガラス越しに面会した時は、
言葉は不明瞭ながら、
一生懸命話してくれて、
目にも生気が戻っていました。
そして、
ベッドから財布を取り出し、
必死に誕生祝のお金を渡そうとしました。
スタッフさんの決まりで、
現金授受はしないことになっているそうで、
それを残念そうにしていました。
あんな状態になっても、
まだ子どもの誕生日のことを覚えていて、
お祝いしようとしてくれている。
なんて、
ありがたいんでしょうか……。
だからね、
私も負けずにお父さんの誕生祝をしようと思っています。
父の誕生日は今月の２６日です。
私が青森県人と認められて、
介護施設の部屋に入れるようになるのは、
４月５日からです。
なので、直にお祝いはできませんが、
ｚｏｏｍを使ったリモート誕生会を
施設の方に協力してもらってやろうと思っています。
その時に、
みんなでハッピーバースデイを歌って、
お祝いの言葉を伝えようと思います。
父にとって家族旅行が
大切な思い出だったように、
私にとっても、
こういう父や母との日々が、
きっと素晴らしい思い出になると思います。
生きて、
人間をやっているから、
思い出が作れる。
生きて体験したすべてのことが、
大切な思い出ですが、
できれば、
うれしい思い出、
楽しい思い出
感動する思い出を
たくさん作りたいです。
私が真鶴から実家に戻ってきたことで、
そんな思い出がこれからたくさん作れそうです。
そんな思い出たちが魂に刻まれ、
本物の財産になって天国まで持っていける。
こっちに来て、
ますますお金が財産じゃないんだな
って思うようになりました。
お金がたくさんあることも素晴らしことだと思いますよ。
でもね、
本物の財産はお金じゃない。
生きて体験した忘れられない感動の思い出が、
どんな財宝よりも価値がある本物の財産です。
魂はそれをたくさん集めたくて、
人間になることを選んだんだなということが、
以前よりリアルに感じられるようになりました。
あなたの人生も
そうやって振り返ってみれば、
たとえ通帳残高がゼロでも、
たくさんの本物の財産があるはず。
そんな財産を、
お互い死ぬまでたくさん作っていきましょう。
それではまた
今日も思い出深い一日を
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