梅も満開。


「裸足の季節」

 

 

アラ還世代には馴染み深い

聖子ちゃんのデビュー曲。

 

北半球の2月にはないだろう裸足。

 

なのに、

散歩の帰り道、

夫が

「裸足だったよね⁈」

と言う。

 

それは

五軒先のご近所さん。

 

「久しぶりに外に出ていたね」

と話していた矢先のこと。

 

 

1年ほど前にお連れ合いさんを亡くし、

認知症?と思われ始めたご近所さん。

ちょっと離れていたので、声を掛けずに

通り過ぎた時のことだった。

 

え?裸足⁈

いくらなんでも

それはおかしいだろう。

 

2月の夕暮れ時なのだから。

 

エレナさんとプーさんを夫に託して、

引き返す。

 

裸足・・・

よく見ればジャケットも着ていない。

 

わたしのことも分からない・・・

 

それでも

話ながら3,4m先の

玄関に連れていこうとするのだが

上手くいかない。

 

結局

20分ほどかかり玄関に到着。

しかし開けようとするも

かぎが掛かって開かない。

 

仕方がない

インターフォンを押そう。

 

何度か朝、デイサービスに出かけるのをお見かけしたことがある。

その時のお嫁ちゃんの忙しそうな姿を思うと、

ピンポーンせずに済ませたかった私。

 

中から施錠が外され驚くお嫁ちゃん。

 

途中から様子を伺いに来た

夫と帰る。

 

数か月前まで散歩に行くエレナとプーさんに

「いってらしゃい。

お利口ね、あなたたち」

と声を掛けてくれていたのに・・・


すぐにピンポンした方が良かったのか、

家に戻ってスリッパを持ってくるのがよかったのか、

頭の中はグルグルしたまま1日過ぎた頃


そのお嫁ちゃんがピンポーンとカメラに映った。


昨日のお礼にと菓子折りを持って立っている。





話を聞けば

おじいちゃんがいた頃から認知症が始まっていたとのこと。

そしておじいちゃんは介護疲れもあったのか、息子さん家族との同居まもなく亡くなられた・・・


昨日は玄関には出られないよう対策済だったが、部屋から出てしまったらしい、と。


ウチの庭でバラを見たり

アマリリスを見ておしゃべりしていた時に⁉︎

 

全然気がつかなかった。


おじいちゃんが苦労されている事も。

 

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そして、今現在はお嫁ちゃん一人頑張っていることも。


表から見ていただけでは分からない。

もしかしたら、同じように苦労されているご近所さんが他にもいるかもしれない。


田舎で育った私にはショックな出来事だった。

田舎ならなんでも筒抜けだったから。


それも大変だけれど、

今回の事も切ない。




ご本人は裸足はチャレンジ、と話されていた。