彼の仕事はシフト制だったため、日程は平日の夜に。
彼女も伯父さんも日程を合わせてくれた。
というか今思えば伯父さんはいつでも暇だったのだ。
会食当日、待ち合わせは都内の某有名中華料理店、
こんなとこいったこともなかった彼は少々動揺していた。
それを横目にテンション高めの彼女、それはそうだ、働いている環境柄こういったところは彼女はもう慣れっこだ。
PM19:00、到着。
緊張のあまり口数が減っていた彼だったが、彼女の存在が唯一の安心材料になっていた。
店内に入ると、◯◯様のお連れ様ですね?
どうやらどこに行っても上顧客のようだ。
大きなフロアを横切り奥へ案内されると、そこにいつものお客様、彼女の伯父がいた。
『よー!!元気か!?』
なにも変わらない雰囲気で第一声。
『はい!お疲れさまです!!』
『失礼します!』
と、彼。
彼女も席に座り、早速会食の始まりだ。
始めは彼女と伯父さんとの会話で時は流れていったが、しばらくすると、、、。
『じゃあ本題だな』
静かに伯父さんが口を開いた。
『お前、うちに来い』
あまりにも唐突すぎる言葉に、彼は開いた口が塞がらなかった、、、。
『はい!宜しくお願いします!』
ただ彼は、即答した。
反射的と言ったら反射的だったのかもしれないが、
彼の本能がそうさせたのだ。
今の現状は決して幸せじゃないわけではない、専門学校を卒業し大好きな洋服の販売員として日々働いている。
お金は持っていなかったが、そのなかでやりくりしていくことになんの疑問も感じていなかった。
ただ、日々高価な洋服をポンポン買っていく顧客たちをみながら、憧れを抱いていたのは事実だ。
彼女との収入の差があるのも現実だ。
”売る側より買う側に行きたい”
彼は本能的にそう思ったのかもしれない。
『じゃあこれから今度買う会社についての打合せがあるからついて来い』
食事を食べ終え、あれやこれやと話が進み次に向かったのがヒルズだ。
きっとすごく美味しい料理ばっかりだったに違いないが、味など1つも覚えていない。
そんなときでも彼女は常に笑顔だ、彼女の肝っ玉には度々驚きを隠せない。
見たこともない高級車に乗り、ヒルズ到着。
正確にはハイアットの飲食店
このときにはもう緊張はMAXで、車内での会話など覚えているはずもない。
お店に入ると、奥の方に一人待ち合わせをしているような男性が一人。
恐らくあの人が打合せ相手だ。
『ちょっとここで見てろよ、なんか頼んで飲んでろよ』
そう言うと、少し離れた席で打合せをはじめだした、彼と彼女はオシャレなジュースを飲みながらその様子を観察。
いや、ちゃんと観察していたのは彼だけだ。
彼女は携帯で遊んでいた、、、。
さすがだ、、、。
少しだけ聞こえる話し声と、お互いの表情から、
どうやら会社を買う話の最終段階のようだ。
一時間ほどたっただろうか、打合せも終わったようで、その相手を紹介された。
そして来週買収予定の会社でお金の受け渡しが行われるということで、そこに同席することになった。
話が進みに進みすぎて動揺を隠せなかったが、彼は身を任せた。。。
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