数年前から、友人に「あなたはたぶんHSPだと思う」といわれていて、コロナの影響もあり、周囲の心の問題に直面する機会が増えてきたので、自分もきちんと向き合ってみようと思い、ご自身もHSPだというカウンセラーの方にお会いしてきました。

結果、おそらくHSP(Highly Sensitive Person)というより、HSE(Highly Sensitive Extraordinary)という、外向型HSPだろうということに。

 

※HSPの基本的な特徴はこちら。

1. Depth 物事を深く処理する

2. OverStimulation 過剰に刺激を受けやすい

3. Empathy & Emotional 全体的に感情の反応が強く、とくに共感力が高い

4. Subtlety 些細な刺激を察知する(第六感が強い?)

 

感受性の強さを自覚するようになったのは、東日本大震災のとき。知人友人に被害を受けた人はいなかったにもかかわらず、報道を見続けていただけで、2週間頭痛と吐き気がとまらず、仕事が手につかなくなり、それから1年間ニュースをみることを止めていました。熊本地震の現場支援に入ったときも、被害状況や被災した人たちの気持ちを受け止め始めると、身体が動かなくなってしまうと思い、心に蓋をした状態で2か月間活動していました。そういえば、北海道の故郷が竜巻に襲われたときも胃炎になったな。自分は被災していないのに。

 

そんなふうに感受性の強さは自覚していて、対処法もおおよそ身についてきているのですが、HSPの傾向である「雑談が苦手(意味のある話や深い話が好き」「一度にたくさんのことを頼まれるのが嫌」「空腹になると集中できない」など、ちょっとしたことに「わかりますわかります」と共感してもらえて、嬉しかったのは初めての経験。

 

ここ数年、人に会うことに楽しさを感じられず、無気力になってきているのか交友関係が狭くなっていることについては、良くないことではないので、「元に戻ろうと思わなくていい」「自然やご縁に任せて」とアドバイスされ、そういうもんかなと安心しました。

 

平野啓一郎さんの『個人から分人へ』という著書があり、その中で、「人は個人(個性)があるのではなく、他者によって引き出される分人がある」のだと書かれているそうです。私は5年前に母を失っただけではなく、失ったのは母によって引き出されていた自分でもあり、その喪失が心に影響しているのだと最近考えるようになりました。

 

そして、ふと気が付いたのは、2年前はちょうどシェアハウスを出た時期でもあり、自分自身が変化した時期と重なっていると発見したこと。もともと母の病気がわかったあと、母を失う悲しさを紛らわせたくて、移り住んだシェアハウスだったのだけれど、誰かと一緒に暮らしていることで、埋められている部分があったんだなあと。あまり人に会おうと思わない一方で、誰かと一緒にいることで心が癒されていた、なんて人って複雑でやっかいだな。