こんにちは。行動アドバイザーまちこです。

前回の記事では、
「期待する」ことは毒にも薬にもなる、というお話をしましたね。

期待が叶えられなかった時、人は大きなショックを受けてしまう。
それが人への期待だった場合はトラブルのキッカケにもなってしまう…

じゃあ、何も期待しなければ良いってこと?しょんぼり


いえいえ、そういうことではありません。
「期待する」こと自体が悪いわけではないのです。

そもそも、人が何かに挑戦しよう、頑張ろうと思う背景には、
必ず何かしらの「期待」、つまり「叶えたいこと」、
言い換えれば「目標」が存在します。
何も期待できるものがないのに頑張れる人なんてほとんどいません。

「こうなりたい」という期待を持ち、目標を立てるのは、
モチベーションの観点から言っても重要なことです。

注意点は、期待の仕方、つまり目標の立て方です。

ここで、一つ例をあげましょう。

伝説級の野球選手野球だった松井秀喜さんやイチローさんは、
「自分でコントロールできないことには関心を持たない」
という意味の発言をされていたことでも有名です。
他にも、似たようなことを話す一流アスリートは多いです。

アスリートは、常に高いパフォーマンスや成果を求められますが、
周囲からの評価や所属チームの優勝などは、
自身の努力のみでどうにかなることではないので、
そういうことには関心を持たず、
自分のパフォーマンスを最大化することに集中する、ということですね。

これを、私たちの日常に置き換えて考えてみましょう。

例えば学生が試験で目標を立てる場合、
「全ての教科で必ず90点以上の点数を取る」のと
「全ての教科で必ず学年1位になる」では、
どちらが自分でコントロールできそうでしょうか?

そう、「90点以上の点数を取る」ですよね。

試験で「90点以上の点数を取る」ことは自分の努力次第で叶えられることですが、
「学年1位になる」というのは、他学生の成績にもよるため、
自分が限界まで努力しても叶えられるとは限らないからです。

上記の例で、仮に目標(期待)が叶えられなかったとしましょう。
「90点以上の点数を取る」ことが目標であれば、
失敗したのは自分のパフォーマンスに限った話ですので、
「この教科が弱いな。今度はここを重点的に勉強しよう」
などと結果を分析して自身の成長につなげられます。

つまり、次の結果もコントロールできるわけです。

しかし、「学年1位になる」ことが目標だった場合、
頑張っても自分より優秀な学生がいると一向に目標は達成できず、
「くそぅ、あいつさえいなくなれば…」などと
他の生徒に対して恨み節が浮かぶかもしれません。
恨まないまでも、「目標が叶わない…ガックリ」とガッカリするでしょう

このように、目標の立て方(期待の仕方)によって、
得られた結果が同じであっても、その受け取り方が随分違うのです。

また、精一杯がんばったら、あとは成り行きに任せ、
結果に対して過度な期待を捨てることも大切です。

人事を尽くして天命を待つ。

「可能な限りの努力をしたら、
 あとは焦らず静かに結果を天の意思に任せる」

という意味の言葉ですが、まさに、
自分でコントロールできないことに関心を持たない
という意味に繋がります。


さて、ここまでのお話で気づかれたことでしょう。

そう、「誰かに対して期待する」というのは、
まさに、自分でコントロールできないことに関心を持つということなのです。
自分のパフォーマンスをコントロールするのさえ大変なのに、
ましてや他人であれば、思い通りになることなんてほとんどありません。

人に対して期待することが猛毒になる可能性を持つこと、
ご理解いただけたと思います。

しかしそれがわかっていても、私たち人間は、
周囲の人、特に親しい人、好意を持つ人に期待を寄せてしまいます。
では、少しでもダメージを受けないようにするためにどうしたら良いか。
長くなってしまったので、次の記事でお話したいと思います。


本日もお読みくださりありがとうございました!