今日、タイヤとサドルを交換した電動ママチャリを迎えに行ってきた。


息子が1歳になるやいなや導入した電動ママチャリ。

ということは、13年半ほど乗り続けていることになる。


その間、バッテリーと後輪タイヤを1回変えた。

それだけ。


サドルの座面が割れても、ビニール袋を被せたりしてごまかしながら乗り続けてきたが、今回はタイヤと共に新調した。


部分的に生まれ変わったママチャリを迎えに行くのが、昼間から楽しみだった。


乗ってみて、「ん?軽いっ!」

スイスイすぎて、バランスを崩しそうになるくらい軽い。

今まで私が乗ってきた乗り物はなんだったのか!?


しかし、本来の姿を取り戻しただけなのだ。


思えば、過酷な労働を強いてきた。

子ども達が小さい時は、子どもを前後に乗せた上に、前カゴには買い物した荷物、後部子乗せ椅子のヘッドレストにはバギーを縛り付けて、30分くらいの距離を乗ったこともあった。

「芸当」とまで言われたこともあった。


こんな過酷な労働にも耐えてくれたのは、

このママチャリを買ったお店の店主さんのおかげでもある。

独身の頃からそこで自転車を買っていた。

店主は元々自動車工場のエンジニアだったそうで、メカにはとことんこだわりがある。

うんちくも…長い(笑)

しかし、自転車への愛情がハンパなく、

出来上がった自転車を仕入れるのではなく、部品を届けてもらい1から組み立てる。

だから、そのお店の自転車はものすごく長持ちする。

スタンドも、子どもを乗せたまま倒れないようなしっかりしたものに変えてくれた。

漕ぎながら横断する時、後ろを振り返ると危ないからと、サイドミラーを付けてくれた。

他にも、いろんな工夫を施していると、自慢げに話してくれたものだ。


値引きはなくても、とにかく安心安全な自転車を売ってくれるのだ。


ある時通りかかると、立退きがあったらしく、そのお店の周辺は更地になっていた。

長く周辺に住んでいたから、愕然とした。

あの自転車屋さんはどこに?

店主はもういいお年だったから、辞めてしまったのだろうか。


私はママチャリに乗る時、時々店主を思い出す。

そして、感謝している。

プロのホスピタリティを教えてくれた店主。

「今も、大切に乗らせてもらっています。

そして、ちょっぴり新しくなって、また今日からも乗り続けていきたいと思います」

そう伝えたい。


藤 紗由美鉛筆