城を購入するふりをして4か月滞在するうちに、内装を破壊して売り飛ばしたカップルに、ヴェルサイユの裁判所は懲役判決を下した次第。

 

 

ミカエル・B(47歳)とセリーヌ・L(42歳)は2023年3月、イヴリーヌ県にあるシャトー・ド・ソヴァージュ・デマンセ(Château de Sauvage d’Emancé)を、1,100万ユーロ(18億円)で購入する契約をオーナーに提案。

 

ドイツ人のオーナーは、「ブレグジットによる銀行の混乱から支払いが遅れている」というカップルに対し、送金を待っている間、城に滞在することを許可。

 

「2023年7月になっても支払いがないので、ベルリンからフランスにやって来た」という、オーナーのガブリエル・B氏は、「ランブイエ(Rambouillet)のホテルで3日間待ったけれど、待ち合わせに来ないので城に行ってみた」と。

 

「すべてが破壊され、悲惨な状態。修復なんて、とっても無理」と状況を説明。詐欺師のカップルは18世紀のカーテンを切り刻み、木彫りのアンティークにやすりにかけ、床材を引き裂き、家具を売り払ってしまった次第。

 

城にカップルの姿はなかったものの、ランブイエとヴェルサイユの捜査官らは、この詐欺の手口から間もなく犯人を特定。同じ手口で、160万ユーロ(2億6千万円)する屋敷に不法滞在するカップルを、2024年1月に逮捕。

 

ヴェルサイユの法廷でミカエル・Bは、「ビールを下から注ぐボトムズアップのグラス工場、湖畔のレストラン、そしてホテル事業といった商業活動の展開を希望する投資家を探していた」と弁明。

 

「でも結局、そんな投資家は見つからなかったのでしょ?」という判事の質問に、「見つかりませんでした」と回答。

 

一方、「ミカエルに騙された」というパートナーのセリーヌ・Lは、「払えるから大丈夫、というミカエルの言葉を信じてきた自分はバカだった」と。

 

判決は、ミカエル・Bに懲役2年、執行猶予4年、セリーヌ・Lに懲役6か月、執行猶予18か月。ただしこれは、シャトー・ド・ソヴァージュ・デマンセの内装破壊に対する判決であり、今後他の被害者から起訴される可能性も。

 

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城も破壊すれば、オーナーの心も破壊する・・・ひどい話ですね。

 

 

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