フランス国籍を申請した25歳のアルバニア人男性が、面接(インタビュー)の質問に答えられず申請が却下された話を、パリジャン紙が公開。

 

エディット・クレッソン

 

12年前家族とともにフランスにやって来た男性は、フランスの学校教育を受け、リモージュでホテル・レストランの接客係(給仕および車付け)として就労。

 

申請の第一段階である、書類審査は難なく通過。しかし、県庁で行われた面接でつまづいた、という話。

 

「自分の宗教について尋ねられた後、サッカーのカリム・ベンゼマ選手をどう思うか、フランスとアルバニアのどちらが好きか、と言った内容が続いた。ビデオ撮影しておけばよかった」とし、男性はこの判断(国籍申請の却下)を上訴する意向を表明。

 

45分間におよぶインタビューでは、この後、フランスの歴史、地理、そして政治に関する質問が。その中には、あまり名の知られない政治家、エディット・クレッソンの名も。

 

エディット・クレッソンは、1991年から1992年までフランスの首相を務めた人物。就任期間が短かったため、あまり覚えられていないものの、フランスで初の女性首相として名を残す次第。

 

男性の要請に応じて、オート=ヴィエンヌの県庁(県庁所在地:リモージュ)が男性の答えられなかった質問の一覧を提供:-

 

1、アロマンシュ(Arromanche)はどこにあるか?

2、6月6日は何の記念日か?

3、ジュール・フェリー(Jules Ferry)とは誰?

4、ヴェルサイユ宮殿の建設を命じた歴史的人物の名前は?

5、ジャン・ムーラン(Jean Moulin)とは誰?

6、凱旋門の建設を命じた歴史的人物の名前は?

7、1958年10月4日以来、フランスで続く共和政の名前は?

8、エディット・クレッソン(Edith Cresson)とは誰?

9、フランスの国会を形成する2つの組織の名前は?

10、現在の財務大臣の名前は?

11、現在の教育大臣の名前は?

12、現在の封印の番人(Garde de Sceaux:司法大臣)の名前は?

13、フランス共和国のシンボルの名前は?

14、EU加盟国の数は?

15、ヌメア(Nouméa)はどこにあるか説明せよ

16、ライシテ(laïcité)の意味を説明せよ

17、友愛(fraternité)の意味を説明せよ

 

解答はこちら:-

 

1、ノルマンディーの海岸リゾート

2、第2次世界大戦における、ノルマンディー上陸作戦(Débarquement de Normandie)の行われた日

3、19世紀の政治家で、初等教育の無償化、世俗化、義務化を実現

4、ルイ14世、太陽王

5、ナチス・ドイツのフランス占領に抵抗したレジスタンス運動指導者

6、ナポレオン

7、第5共和政

8、ミッテラン大統領下の首相(1991~1992)フランス初の女性首相

9、下院(Assemblée nationale)と上院(Sénat)

10、ブルーノ・ル・メール

11、ガブリエル・アタル(男性が面接を受けたときはパップ・エヌディアイ)

12、エリック・デュポン=モレティ

13、フランス国旗(tricolore)、フランス国歌(La Marseillaise)、マリアンヌ、フランスのモットー(liberté, egalité, fraternité)、革命記念日(Fête nationale)、おんどり(Coq)、リクトルの束かん(Le Faisceau de Licteur)、国璽(こくじ/封印:Le Sceau)

14、27か国

15、フランスの海外領土であるニューカレドニアの首都

16、フランスにおける教会と国家の分離原則

17、同じ国民同士の団結

 

国籍申請では、3分の1が却下されるというものの、多くが犯罪歴や生活資金の不足、または必要書類の不足が理由。

 

面接で申請が却下されることはあまりないものの、これまでに男性面接官と握手を拒んだ女性が、申請を却下されたという例も。

 

政府発行の市民冊子~国籍取得には、こちらを使ってフランスの歴史、地理、政治を勉強:-

Le livret du citoyen / La nationalité française / Intégration et Accès à la nationalité - Direction générale des étrangers en France - Ministère de l'Intérieur (interieur.gouv.fr)

 

在日フランス大使館のサイトで、フランスの知識を取得:-

フランスを知る - La France au Japon (ambafrance.org)

 

・・・・・

 

国籍取得は、「フランス語が話せるから大丈夫」というわけではなさそうで。フランス教育を受けてきた人も、上の冊子でしっかり歴史、地理、政治をおさらいする必要が。

 

 

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