こんにちは!
一般社団法人ライフエンディング・アシスト
理事・副代表の和田 尚久です。
1995年の阪神・淡路大震災を機に兵庫県はざまざまな「心のケア」に取り組んでいます。
その一つが、音楽で心身を活性化させる「音楽療法」
全国でも珍しく県独自のシステムで音楽療法士を認定し、補助制度を設けて県下の施設に普及活動を展開しているのです。
https://web.pref.hyogo.lg.jp/hw02/hw02_000000021.html
今日はあしや音楽療法研究会主宰
堀 早苗氏の「緩和ケア病棟における音楽療法の取り組み」からご紹介します。
音楽療法とは?
「音楽のもつ生理的、心理的、社会的働きを用いて、心身の障害の回復、機能の維持改善、生活の質の向上、行動の変容などに向けて、音楽を意図的、計画的に使用すること」
~日本音楽療法学会定義~ http://www.jmta.jp/
ホスピス・緩和ケアの理念
ホスピス緩和ケアは、生命を脅かす疾患に直面する患者とその家族のQOL(人生と生活の質)の改善を目的とし、様々な専門職とボランティアがチームとして提供するケアである。
~日本ホスピス緩和ケア協会HPより http://www.hpcj.org/what/kijyun.html
緩和ケアとは、生命を脅かす疾患による問題に直面している患者とその家族に対して、疾患の早期より痛みやその他の身体的問題、心理社会的問題、スピリチュアルな問題に関して的確な評価を行い、それが障害とならないように予防したり、対処することで、クオリティ・オブ・ライフ(QOL)を改善するアプローチである。
WHO(世界保健機関)の緩和ケアの定義(2002年)
セント・クリストファー・ホスピスの創立者である
シシリー・ソンダース先生が語ったホスピスの五原則
1. 患者を一人の人格者として扱う
2. 苦しみを和らげる
3. 不適当な治療はしない
4. 家族のケア,死別の悲しみを支える
5. チームワークによる働き 医師や看護婦を中心に,ボランティアチーム,栄養士,マッサージの人, 美容師など,患者さんが必要と思う人はすべてチームに入る
対象者と共に在ること Being with the Patient シシリー・ソンダース
音楽療法は、音楽の中に「共に在る」ことが大切なこと。
「共に在る」とは、私と対象者が音楽という大きな円の中に存在し、双方の人としての核=スピリチュアルな部分に音楽が働きかけることでしょう。
中山ヒサ子 「ホスピスケアと音楽」より
「その人が情緒的に今居るところで出会い、
そこから始めること」
「その人に合わせて歩くこと」
~デボラ・サーモン「歌の翼に 緩和ケアの音楽療法」より~
礼儀正しい
距離感
思いを込めてコミュニケーションしている
感傷的になることなく共感し、高圧的になることなく力強くリードする。
ホスピス・緩和ケア病棟における音楽療法活動
音楽療法の対象者は・・・
入院患者、患者家族、病棟スタッフなど
患者様を取り巻くすべての方を対象として実施する
音楽療法活動は・・・
身体的、精神的、社会的、霊的なニーズに音楽を通して対応することを目指して行う
小グループ、個別など、対象者の体調やニーズに合わせた形で実施する。
医療現場に生演奏
療法的な思いを持って
☆音楽のちから
・からだに働きかける力(身体的、生理的働き)
・こころに働きかける力(心理的働き)
・人間関係に働きかける力(社会的働き)
終末期の患者さん
しんどい
不安
怖い
→ 刺激が強くないものに
ホスピス・緩和ケア病棟において
活動する際に配慮すべき点は?
① 一般社会とは異なる環境に慣れ
② 患者さんのニーズを敏感に感知し
③ 自分なりの死生観を持ち
④ 音楽にこだわらない
5曲用意したら5曲ろうとするのではなく
患者さんに負担をかけないようにする。
⇒音楽をいかに活用できるかも重要であるが、
対象者の大切な時間や、希望、また病状や様子を敏感に察知することが大切であると考える。
~板東浩「音楽療法シリーズ 入門編」~
ホスピス・緩和ケア病棟における音楽療法活動の目標は?
1人の人間の存在を尊重する
家族との時間を大切にする
抑圧された感情を開放する
痛みなどの症状を軽減する
非言語的コミュニケーションをはかる
入眠への援助をする
社会的交流の場を提供する
安定期、変化期、末期を見定める
~板東浩「音楽療法シリーズ 入門編」~
いまから20年以上前、まだ震災前に義母が特養に入所していた時に音楽の慰問があり、そのイメージでいましたが、音楽療法の資格があることはつい最近まで知りませんでした。
私も音楽が好きで、リタイアしたら施設の慰問して回れたらと思っております。
音楽には本当に偉大な力がありますね!
次回につづく…
自分のことをきちんと伝えることは自分のためであると同時に大切なひとへの思いやりです。
自分のことをきちんと伝え、自分らしく生きていくことに年齢は関係ありません。
私たちは、失われつつある家族とのコミュニケーションや地域とのつながりを再生させるとともに、経済産業省が提唱する豊かなライフエンディングステージを実現するために活動を行います。
エンディングノートを「よりよく生きるためのツール」「大切なひととのコミュニケーションのためのツール」と位置づけ、わたしたちはハッピーライフマップと呼んでいます。
自分らしく生きること、生きているときに役立つハッピーライフマップについてセミナー、体験会、インターネットテレビでみなさまにお伝えしています。
まずは、自分のこと、家族のことをきちんと考えて書くことから始めませんか?
一般社団法人ライフエンディング・アシストでは
西宮市後援
西宮市社会福祉協議会後援
明石市後援
明石市社会福祉協議会後援
「知っておきたい終活セミナー」
として、終活やエンディングノートについて、
テーマを決めて月一回お話させていただいています。
この他にも、地域でのご依頼や、カルチャークラブでもセミナーを受講いただけます。
また企業の福利厚生の一環で従業員のみなさま向け、リタイアされたOBのみなさま向けにお話させていただくこともできます。