「終末期医療に関する事前指示書」とは、なんでしょうか?
本人(自分)で医療に関する決断を下すことができなくなった場合、
医療について、本人(自分)の希望を伝えるための文書です。
大きく分けて、2つあります。
① リビングウィル(一般に事前指示書・尊厳死宣言書など)
終末期医療において本人(自分)が医療に関して、
決定・判断能力(意思表示)を喪失した場合に備えて、
治療やケアについて指示や要望を事前に示す文書です。
② 医療判断代理人委任状
終末期医療において本人(自分)が医療に関して、
決定・判断能力(意思表示)を喪失した場合に備えて、
本人(自分)に代わって、 医療に関して(治療や手術など)医師などと話し合い、
判断・決定・同意などをする人を指名するものです。
この2つはセットで考えて、文書を作成します。
作成の方法は、自分で作成する方法や、
専門家(ぼくのような!?)に相談して、作成する方法、
そして、専門家に相談後、
公証役場で公正証書で作成する方法などがあります。
本来は、自分で医師など医療機関に希望を伝えますが、
それができない状態になった場合には、とても役立ちます。
文書があれば、医師や医療機関にとっても安心して、
関係者間で相談しながら、治療などを進めることができるでしょう。
ただ、注意しなければならないことがあります。
「文書にしてあるから、安心。」と思ってはいけません。
次の2つに注意しましょう。
① 自分の考えや想い、気持ちとその理由などを
常日ごろ、家族などと話し合い、伝えておくことを
忘れてはいけません。
② 自分の考えや想い、気持ちはうつろうものだ、
ということを忘れてはいけません。
ですから、気持ちが変われば、文書を変更しなければなりませんし、
家族などにも伝えておかなければなりません。
では、具体的に
「終末期医療における事前指示書」にはなにを書けばいいのでしょうか?
それについては、次回にお話をしましょう。
最後に、ひとつだけお話をします。
「事前指示書」と「尊厳死宣言書」のちがいですが、
一般に、「尊厳死宣言書」よりも「事前指示書」のほうが
具体的で、詳しく書かれていることが多いようです。
次回は、その内容をお話しますね ♪