みなさん、よっぽどカモられているんでしょうか?
「3回建てないと本当に気に入った家はできない」は、前世紀?前々世紀?の言葉として有名です。多分、江戸時代の金持ち普請道楽の旦那の言った事。知らんけど。カモられるというよりは、自分の好みの普請ができるかどうか、という事。
今の使い方とちがいまんがな。
しかし、まぁ、何を以ってカモられるということなんでしょうか?
あなたが適正だと思う、例えば木工事、工事費は、業者にとっては利益のない仕事かもしれません。逆にマイナスかも?
個人の大工さんならともかく、たとえ小さくても会社組織になって入れば会社の経費もかかりますし、現場でも経費がかかります。
カモられる事を防ぐためには、設計事務所に設計監理を頼み、納得行くまで設計をしてもらい、図面の説明と現場での説明をしっかりしてもらい、見積書と現場のチェックもしっかりしてもらうのが一番カモられる事はないと思います。
あ、でも設計監理料っていう費用を請求されますけど。
これもカモられているんじゃないか?
設計者は霞を食って生きているわけではないのです。
彼らにもあなたと同じように生活があります。
簡単に図面ができると思ったら大間違い。
それぞれの学習や経験を積み重ねて来て、そして考え、考えて、作った図面です。ただの線ではありません。
それぞれ1本1本に意味があります。
大工さんにも、様々な職人さんにも生活があり、目先の完成品の裏にそれぞれの生活と学習と経験の積み重ねられた結果です。
人をカモるカモらないでしか見ないのであれば、自分で建築士の勉強をして、大工の修行をして、自分で工事するしかありません。
そうすれば、完成までの費用の総額がいくらになるか知りませんが、一番納得していただけるのではないでしょうか?
あ、安全講習も受けてくださいね。ノコギリから金槌からノミから、工具を揃え、木材を加工する加工場を作り、材料を運搬するトラックや自動車を用意しなくてはなりません。トラックはレンタルします?レンタル料はカモられているかもしれません。一人では工事できません。人を雇うとき、あなたが適正だと思う費用で人が集まりますか?カンナやノミ、ノコギリが簡単に使えると思ったら甘いですよ。最近の工具はみんな電動なので高いです。
最近は見積合わせという風潮がはびこっていて、ほとんど価格勝負です。
安いもの勝ち。しかし、ちょっと待って!
品質が同じという条件のもと、価格勝負というならまだわかりますが、その品質が本当に同じなのか?
その上で価格の違いの正当性を見抜けますか?
お役人も見抜けないですね。安ければいいと思ってる。
施工者も安くするために、安い職人を使います。技術のない職人を、できる限り短い時間で使い、工事を終わらせます。
これでは職人も成長しない。成長しないから安い。安いからなり手がいない。こんな背景で職人さんが激減しています。
これでいい建物ができるわけがない。
さて、カモられたと思うのは、品質ですかお金ですか?