東京都総務局統計部のデータによると、東京都で22年間にわたり人口の増加が続いています。

過去10年間の人口推移をみると、

2008年人口:約1,285万人

2018年人口:約1,375万人

1年間で約9万人づつ増えている計算になります。

増加人口のほとんどが人口移動(他の国、道府県からの移住)によるものなので、移動してきた人口分の住宅が必要になります。

 

日本全体では人口減少が始まっていますが、実は首都圏を筆頭とした大都市圏では人口が減っていません。

それどころか、ほとんどの大都市では人口が増加し、東京と同じような現象がおきています。

 

今は人口が増えて都市圏の税収は上昇していますが、この増えた大都市に移住した若者たちが将来結婚し、子供を平均2人以上産んでくれれば人口も増えていくはずですが、現状での出生率は1.44。このままでは人口減少は止まりません。

 

今は人口が増えている自治体も、将来は人口減少が必ず始まります。大都市で人口減少が始まるとどうなるでしょうか?若者が減った都会で多数を占めるのは、かつて地方から出てきて人口増加の原因となった昔の若者たち。老人が多数を占め、社会保障費が増大し、税収が減り続けるかつての地方と同じ姿。しかし、人口が多いがためにその深刻さは地方の比ではありません。

 

全国で空家増加

東京に出ていった子供達は、結婚し家庭を持ち都会で暮らしています。どちらかの親世帯が空家になったとしても、果たして現在の生活拠点を放棄し会社をやめて、地方に戻るでしょうか?

仮に戻ったとして、もう一方の親世帯の家がいずれ空家になります。

 

それと同じことが大都市圏でも始まっているのです。深刻なのはかつての新興住宅地と言われていた地域で空家が増え続けています。人口の多い団塊の世代のために造られたかつて新興住宅地と言われていた東京郊外、千葉、埼玉の住宅地で空家が増えてきました。一時期に大量の住宅を供給したため、一気に入居者の年齢や年収がほぼ同じ人たちが同時に入居したため、ほぼ同時に高齢化してしまいました。

かつて「金曜日の妻たち」というヒットしたテレビドラマがありましたが、その舞台となった中央林間や聖蹟桜ヶ丘は現在高齢化が進行し、かつてのドラマの主人公たちと同年代の人たちは、そろって後期高齢者にむかっています。