日銀の10月の会合では見送りになりましたな。では12月では?
日銀の決める金利がどうして、物価に影響してくると思います?
日銀が金利を操作することで、銀行の貸出金利や市場の金利水準が変動し、
企業や個人のお金の借りやすさや貯蓄の魅力が変わりますよね。
これが最終的に、モノやサービスへの需要を通じて物価に影響を与えます。
簡単に説明すると、以下のようになります。
興味のある方は読んでね。
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1. 金融緩和(利下げ)の場合
日銀が政策金利を引き下げる(金融緩和)と、以下のような流れで物価に
押し上げ圧力がかかります。
銀行が企業や個人に貸し出す際の金利も下がり、お金を借りやすくなります。
企業は設備投資や事業拡大のための借入れがしやすくなり、投資が活発化します。
個人は住宅ローンなどの金利が下がり、高額な買い物をしやすくなったり、
預金金利が下がることで貯蓄よりも消費や投資に回すインセンティブが高まります。
経済活動が活発化し、モノやサービスへの需要が供給を上回るようになると、
価格が上がりやすくなります。
(インフレ圧力)
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2. 金融引き締め(利上げ)の場合
日銀が政策金利を引き上げる(金融引き締め)と、以下のような流れで
物価に押し下げ圧力がかかります。
銀行の貸出金利も上がり、お金を借りにくくなります。
企業の借入れコストが増加し、設備投資や採用が抑制されます。
個人は住宅ローンなどの返済負担が増加したり、預金金利が上がることで
貯蓄の魅力が高まり、消費を控える傾向が強まります。
需要の減少と物価下落: 経済活動が抑制され、モノやサービスへの需要が
減少すると、価格が下がりやすくなります。
(デフレ圧力、またはインフレ抑制効果)
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金利の変動は為替相場にも影響し、これも物価に影響を与えます。
日本の金利が上がると、相対的に円を持つ魅力が増し、円高になりやすく
なります。円高になると、輸入品の価格が下がるため、国内の物価にも
押し下げ圧力となります。
日本の金利が下がると、相対的に円を持つ魅力が減り、円安になり
やすくなります。円安になると、輸入品の価格が上がるため、
国内の物価に押し上げ圧力となります。
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日銀は、これらのメカニズムを通じて金利を調整することで、
「物価の安定」を図り、日本経済の健全な発展に貢献することを目指しています。
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現在実質消費者物価が3%程度で推移しています。
大企業でさえようやく年3%程度のベースアップするようになってきて
いますが、多数を占める中小企業の社員や非正規の人は、その恩恵に浴していません。
だからこそ、物価対策が急がれる訳ですが、暫定税率を撤廃するとか、お米券とか
小手先の対策では効果は限定的かつ時限的にしかならないと思うけどなぁ。
海外の国々も物価が上がっていますが、それなりに所得も増えています。
〜それでも大変なんだけど〜
そうなれば原材料価格は更に上昇して行くので、円安のままでは輸入品が
どんどん高くなってしまいます。
根本的な問題を解決しないで、場当たり的なバラマキをしても一時凌ぎにしか
ならないという事です。
お米で言えば、農地を集約して効率よく生産してコストを下げるとか、
中間マージンを省くようにするために、流通を改善していくとか
電気代で言えば原発を動かして、原油の輸入を減らすとか
こういう事言うとある界隈の方々から批判されるけど
もちろん太陽光とか風力とか、様々な自然エネルギーの活用とか
抜本的な対策をしないと、いつまでも物価の上昇は止まらないはず。
日銀が今回利上げを見送ったと言うことは
金融緩和がしばらく続くと市場が判断し、155円という円安を良しとしている
と言うこと。
と言うことは海外の富裕層が日本円を借入しやすく、かつ大量に借入できる
ため、日本国内の不動産を買い漁ることが可能と言うこと。
だから不動産価格が上昇していく原因にもなっていると言うこと。
では日銀はさっさと金利上げればいいじゃん!と思うかもしれませんが
変動金利で住宅ローンを借入している大多数の方々。
あなた方の返済金利も上昇します。ローンの契約上すぐに返済額は増えませんが
金利だけは先に上がりますから、銀行の帳簿上では返済額は増えていて、
今の返済額よりの増加分は元本に繰入らて、返済総額は増えてます。
暫くすると返済額も増えますけどね。
政府が国債を発行して借入したお金を毎年利子だけ返済しているけれど
この利子の返済額も増えますので、様々な国の事業費も減ります。
しかし流石にこれだけ物価が上がると、12月には利上げするのでは?
と言われています。どうなることやら。
高市総理になって、支持率も高く、私も期待しています。
しかし高市さんの言う「責任ある積極財政」
現在はインフレ状況下で「拡張財政と金融緩和の維持」を行うと、
インフレが加速するだけで国民の物価対策の痛みが大きくなるのでは?
心配しています。
基礎的財政収支(プライマリーバランス、PB)の黒字化まであと4000億円!
あとちょっとやね。
しかし、11月の補正予算で10兆円を超える規模になると、新規国債の発行が増え、
金利上昇の可能性が高まりませんかね?
PBの黒字化を1〜2年でも達成し、国際的な日本国債の信頼を得る方が望ましい
のでないかと言う意見もあります。
PB黒字化は国債の元本を減らすことになり、金利が下がる方向に作用するため、
インフレ抑制にもつながるのでないかと思うなりよ。
「ロストジェネレーション」と言われる40代〜50代前半の就職氷河期世代の
男性は、物価上昇で実質賃金のマイナス幅が大きいので、この世代の賃金を
上げないと。更に言えば、日本中の大企業から中小企業、役所も含め、毎年
3%以上のベースアップしていかないと、実質給料が目減りしている状態では?
今から15〜20年くらい前ですかね。
失われた10年とか人口減少で企業が国内では成長が見込めないとして、
どんどん海外進出していきました。
しかし考えてみれば、不景気とか言いながら、よく海外に出ていけるだけの
お金があったね。どこにそんなお金が?って思いません。
実はあったんですよ、お金。
ちょうどその頃、団塊の世代の退職が始まっていて、大量の高額所得者が
いなくなっていたんですね。
今更ですが、そのお金、賃上げに使っていたらねぇ
今頃失われた30年とか言われることもなく、みんなの所得アップによる
インフレになっていたかもしれなかったのにねぇ。
今となっては、反対のコストアップによるインフレになって、
尻に火がついたみたいじゃないの。
