ほんのささやかな親切が、人生を破滅させるとき

ども!家族連鎖クリア&ライフコーチあまみ悠です。 

 

 

プロフィールはこちら音譜

 

 Netflixでおもしろいドラマを観た。

それは「私のトナカイちゃん」

 




ストーリーは実話に基づいていて
ストーキングや精神障がい、
レイプなどが描かれている。


で、恐ろしいことに、これは実話だ。
 

主人公のドニー・ダン役の
リチャード・ガッド本人が

ストーキングを受けた体験を

元に脚本を書き、主演、

ドラマ化したそうな。



主人公として、

つらい経験を再体験する。


それがどんな意味を持つことか?

 

その勇気はパワーとともに

痛ましくも感じるが

グルーミングや性虐待、
ジェンダーの問題など
当事者だからこそ訴求できる、

 

 

それは間違いないことだろう。



実際にリチャード・ガッドは
性虐待の支援センターと
つながっていてドラマの中には

相談先のURLが記載されていた。

 

 

日本のはこちら↓

 

 


そして、

全7話で各30分程度なので、
重くなりすぎずに観やすい。

レビューサイトの

Rotten Tomatoes

(ロッテントマト)では

100%という高い評価だ。

 

 

 

さて、ストーカーとは、
つきまといをする人のことだが

 

ストーカーの被害者として

 

最近では

 

「新宿タワマン25歳女性刺殺事件」

で25歳の女性の命が奪われたなど

本当に理不尽な事件が多い。


こういった事件で
クローズアップされるのは
男性が多い印象だけど、

 

実際はこのドラマのように

女性もストーカーになっている。

 

 

その、よくある手口としては、

 

自宅まで押し寄せて

面会、交際を迫る、

つきまとう、

連続メールや連続電話するなど

相手に大きなダメージと

危険を与えるものだ。

 

 

ストーカーになりやすい

2種類のタイプは

あとに言及するとして

 

サクッとあらすじから書いてみよう。

 

ネタバレ注意です。
 

 

 
ストーカー「マーサ」との出会い

 

物語の主人公は、
コメディアンを夢みて
バーでバイトする
30代の売れない芸人ドニー・ダン。

ある日、そのバーに
弁護士と自称する太った女マーサが

来店する。

お金がないから
何も注文できないと言う彼女に
ドニーは同情し、紅茶を一杯奢った。


その日から、


マーサのつきまといが始まる。


毎日バーに来ては
ドニーを口説き、愛を伝え、
怒り、暴れるマーサ。

 

メールは毎日80件以上届き、

 

店や家の前で待ち伏せをする。

 

店に来てはドニーとの結婚や
妊娠出産の妄想を大声で話す。

 

snsのドニーの女友だちに
嫌がらせのメールを送りまくる。

ドニーの恋人を攻撃し、
その髪をむしり取る。


どんどん恐ろしい状態になり

ドニーは追い詰められていく。



実は、マーサがこのような

行為をするのは初めてではない。

 

ドニーはネット検索で


「元弁護士、ストーキングで逮捕」

という記事を見つけて驚愕する。


しかし、
警察に相談しても

明らかな証拠がないとと、
真剣に取り合ってもらえない。

(女が男?という性差別もあったかも)


 

 
トラウマを抱えた被害者としてのドニー

 

たぶん、このドラマを観た人の多くはドニーのことを

 

「なぜ、そんなに優柔不断なの?」

 

と思うのではないだろうか。

 

 

迷惑行為を受けても

警察になかなか行かず

行ったときにも

加害内容は隠すドニー。

 

 

なんで?という違和感が

あちこちでこぼれ落ちていく。



実はドニーは、10年ほど前に
出会った脚本家に

グルーミングされて
性虐待を受けた経験を持つ。

 

 

そう、グルーミングといえば

ジャニーズ喜多川を思い起こさせる。



目下のもの、

特に子どもに対して

信頼関係を築き、

逃げられないようにする

洗脳構造だ。

 



その経験はドニーに
深いトラウマとなり、

その後は再上演するかのように
男性と性的な関係をたくさん持ち、

逃げることを繰り返してしまう。



うまくいかない人間関係、

 

女性と親密になれないこと、

 

パッとしないコメディアンの仕事。

 

 

ドニーはトラウマの傷を抱えながら

現実に適応しようと必死であがいていた。

 

 

そんな自分は

マーサのくれる賞賛や

「彼だけを見つめる姿」を

求めていることに

気づき始めるのだ。

 

 

 

 

 カミングアウトが招き入れた成功

 

物語の起承転結の「転」はドニーがコメディの発表会で
いつものごとくウケないステージをし、

客席は静まり返ったところから始まる。

 

 

あまりのウケなさに失望したドニー。

 

座って一人語りを始め、

一連の出来事を

カミングアウトする。



自分がグルーミングされて

薬物摂取しながら
虐待にあったこと、

混乱していろんな人と
性的関係を持ったこと

バイセクシャルになったこと


トランスジェンダーの女性と
出会って愛したこと、


けれど、

自分が自分を嫌いなせいで
彼女とうまくいかなかったこと。

現在、ストーキング

されていることなど。



とつとつと語る彼の姿を
来場者がこっそり撮影し、

You tubeにアップしてしまう。

 

 

そこであっというまに

有名になったドニーは

メディアに引っ張りだこになる。

 

(あんなに求めたパワーが
 思いがけず手に入った)


それを知ったマーサは怒り狂い
ドニーの親を攻撃するという。

ドニーは親を守るために通報し、

とうとうマーサは捕まるのだった。

 

 

 

 

 その涙は救いになったか

 

はあ、疲れた、やっと(事件が)終わりか…と

思いきや

ドニーは自室に引きこもり、

マーサを研究し始める。

 


マーサからの莫大なメールや

音声メッセージは

その感情ごとに振り分けられ、


ドニーはマーサの音声データを

毎日聞いているのだった。

 

 

元カノが訪ねてきて心配するが

 

「彼女を知りたいんだ」

 

というドニーの部屋、

壁一面に貼り付けられた

マーサの顔写真や新聞記事を

見てそっと引き返す。

 

 

 

そんな日々の中

あるとき聞いた音声の1つに


マーサはドニーのことを

いつも呼んでいた

「トナカイちゃん」という

あだ名の理由、

 

それを語っているものを見つける。

 


ドニーはそれを聞いて

マーサの深い孤独と寂しさを知り、

泣くのだった。



 

ラストシーンは、
ドニーがふらっと入ったバーでの

バーテンダーとの会話だ。

 

 

今度は財布がないのは

マーサではなくドニーであり

 

財布を忘れた彼に、

バーテンダーはいう。

 

「いいよ、奢るよ」と。


 

 

 ストーカーのタイプを2つにわけてみる


ここまでがあらすじだが

 

ここからはストーカーに

ついての理解を少し。

 

 

まず、「ストーカー病」の著者
福井裕輝氏はストーカーの特徴を

「自分がつきまとうのは相手のせい」


との被害感情を持ち、

相手に拒絶されても


「自分の良さを理解できないだけ」


「自分の良さを理解できれば

 受け入れられるはず」

と自己中心的に

解釈すると言っている。

 

 

 

まさしくマーサだ!



そして、その自分勝手な期待は
当然、現実のものとはならない。

 

 

なので、

被害感情が強まり
恨みに変わり、
恨みが恨みを呼んで

加害行為に変わっていくという。

 

 

つまり、加害者の

ストーカーの心の中は

被害感情でいっぱいになっている。

 

 

 

そして、ストーカーには

否認の心理が強く働いているという。

 

 

否認とは、

そこにあるものを認めない、

心の防衛機制。

 

 

実際は不安でいっぱいなのに

それを認めようとしないなど、

自分の感情を否認する場合もあれば

 

親密な関係になれるほどの

立場や能力がない

自分の特性を否認する場合もある。

 

 

 

マーサもそのように

描かれていたが、

 

そのマーサの心の動きを

心理学理論である

原子価論で例えてみると

 

『マイナスつがい原子価』となる。

 

 

これは「つがい」という言葉に

表されるように

 

親密な身体的、精神的関係を

(マイナス)つまり

過度に要求する関係を

求めることを意味している。

 

 

 

『マイナスつがい原子価』の場合、

 

・相手を無視して、

 一方的に知り尽くしたいという

 要求をもっている

 

・自分が 相手について

 知らないことがあることに耐えられない

 

・お互いがお互いのすべてを

 知っているという関係を求める

 

・常に相手の浮気を疑う 


・性的関係のしつこい要求
 

という特徴がある。

 

 

この『マイナスつがい原子価』が

引き起こすストーカー行動は、 

 

相手を知らずにいられない

 

という欲求が源になっていると

考えられている。

 

 

 

 

 

そして、

ストーカー行為につながる

もう1つのタイプが

 

『マイナス依存原子価』だ。

 

 

この場合、依存なので

 

常にだれかと一緒にいたい、

誰かから守られ たいという要求が強い。

 

人から見捨てられることに

過剰な不安を持つ傾向がある。

 

 

他者といつも

同じでいることが重要だと考え、

 

さらには相手の気持ちと

自分の気持ちが区別できず、

 

自分自身 を失うくらい

相手に完全に同一化する特徴がある。

 

 

さて、

ここまでだと愛情深い人でもあると

思ってしまうかもしれないが

 

 

その根底には

 

・無力感 
 

・他者の理想化と貪欲的な期待と要求
 

・ 他者の不在に対する耐性の欠如
 

・ 見捨てられることへの過剰な不安

 

があることを踏まえた方がいい。

 

 

つまり無力感を

感じたくないがための

関係構築であり

 

相手そのものより

自分にとって

都合の良い相手を映し出し、

 

そこにハマってくれることを期待し

要求するわけで、

実際の相手は見ていない。

 

 

愛情とは

相手の幸せを願い

相手の悲しみを減らしたいという

欲求だが

 

ストーカーの場合は

 

相手に献身的に尽くすのは

相手が離れていかないようにするためで

あくまで自分のためなのだ。

 

 

 

結果的に相手が負担を感じて、

離れようとすると引き留めるために

一気にストーカー行為に転じることになる。

 

 

 

 

リチャード・ガッド本人が
インタビューで言っていたように

マーサは適切な助けと
ケアが必要な人だった。


 

 

もちろん加害はいけないが、

 

ドラマを見ている分には

 

自信や自尊心がすっぽり

抜けてしまったドニーの底の底を

 

無意識に、必死に、さらに下方から

受け止めようとしたのが

マーサという存在だったように見えた。

 

 

それは、愛ではないとしても

 

親密さを乞い求める2人の

孤独な魂の出会いだったかもしれない。






なお、この物語は

まだ終わっていない。

 

現実はさらにざらついている。

 

 

ドラマ中でグルーミングをした

プロデューサー本人と

 

マーサ役の本人にあたる女性から

 

netflixとリチャード・ガッドを

訴える声があがっているそうだ。

 

 

 

netflixより転載

 

 

 

ベル子育て、人間関係、親とのこと。 

あれもこれも試したり学んだけれど、
やっぱりスッキリしない。


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