先週、
晩御飯のあと片付けをしていて
うっかり醤油さしをボウルにぶつけてしまい
注ぎ口がぱっきり取れてしまいました。
結婚したばかりのころ
上野の陶器店で買ったもの。
染付で赤い小皿が付いていて、かっこはいいけど、
注ぎ口から決まって一滴だらしなく垂れるので
気に入った醤油さしがあったら買おうと
ずっと思いながら10年以上が経っていました。
使いにくいと思いながらもそれを使うのが当たり前になっていたので、お思いがけず無くしてみると、不便さと残念な気持ちにしばらくぼんやりしてしまいました。
失ったものは愛おしく思えるということなのでしょうか。
昨日は
向田邦子さんの命日でした。
新聞のコラムでは各紙彼女の命日にちなんだ記事が並んでいました。
不思議と
向田さんの文章や文中の言葉ひとつ引用するだけで
そのコラムが向田色になっていました。
欠けてしまった醤油さし
昨日はそんな言葉も向田世界の言葉のようで、余計に愛着を感じたのかもしれません。