【川崎市】旧津久井道 | ぼっちあるき

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歩きながら考えてみた

小田急線の百合ヶ丘駅から100m程離れた丘の上にある、旧津久井道を東へと歩いています。

 

 

目の前に巨大な欅が現れました。これぞまさに欅坂。今は櫻坂になっちゃいましたけどね。正面はゴミステーションになっていますが、黄色い看板の左横に塔が見えます。後ろのブロック塀の保護色になっていて分かりにくいので、近付いてみましょう。

 

 

神奈川県ではよく見られる地神(じじん)塔です。ほとんどが文字塔で、刻像は滅多にお目にかかれません。この地神塔は道標の役割も果たしており、側面に「北 ふちう」(府中)「南 かな川」と刻まれています。

 

今ある建物が全て無かったと仮定して想像すると、欅がランドマークで、地神塔が交通標識になっていた訳です。地神信仰は、古代からある大地の神への信仰が道教や仏教の影響を受けたもので、関東では農耕神の色合いが強く、社日塔とも呼ばれています。

 

社日とは、春分と秋分に最も近い戊(つちのえ)の日を指し、産土(うぶすな)神を祀る日です。春に五穀豊穣を祈願し、秋に収穫に感謝するというのが地神信仰です。庶民の生活に根付いた信仰と言えるでしょう。

 

 

地神塔の裏には神社がありました。MAPに記載はありませんが、鳥居が丹色なので稲荷神社かと思われます。狛狐もいないし、扁額も無いので、はっきりとは分かりませんでした。古い祠もあり、場所的に昔からある神社だろうなぁとは思います。

 

 

地神塔に刻まれていた「ふちう」の方角に、高石神社があります。Oリング(ディンプル)の道が続いているので、ちょっと嫌な予感がしますね。

 

 

あぁやっぱり!これはキツそう。百合ヶ丘って素敵な名前だけど、実際にはこんな急坂が続くんですね。さすがに今日はノージャケットだけど、長袖ポロなんで汗まみれになりそう。この辺りに住んでいる皆さんは、足腰が強くなるでしょうね。

 

 

急坂に辟易としていたら、師匠が現れて喝を入れられました。しかも黒猫師匠。僕の勝手な定義では、猫界で最上位に君臨する師匠です。物凄い目で見られています。「とりあえず(この自販機で)水分を補給しろ」と言われているようにも思えます。いずれにしても、檄を飛ばしてくれる師匠に感謝です。

 

黒猫は、その色ゆえに不吉とされ、人間に虐げられてきました。中世のヨーロッパなんて酷いですよね。魔女の使いと言われ、300年近くも迫害されてきました。これってキリスト教が他信仰を否定する為に行ったんだろうと推測されます。現代のイスラム教徒が、仏像や神社を破壊するかの如く。

 

エジプトやイスラム圏では、猫は聖なる存在として扱われていました。クレオパトラが猫(アビシニアン)を飼っていたのは有名な話ですよね。飼われていたということは、猫は神殿に住んでいたということです。そんな猫を当時のキリスト教は否定した。

 

日本では、皇室で最初に飼われたのは黒猫だとも言われ、宇多天皇(第59代)の日記にも記載が見られます。招き猫にも黒猫バージョンがありますよね。

 

色が黒いのは、夜陰に紛れてネズミ等の捕食に都合が良かったんだろうし、その遺伝子が受け継がれているということは、生存に適しているからだろうと思います。ただ、他の猫が「人間に可愛がられる」という生存戦略を取ったの比べ、あくまで野生としてのサバイバル戦術な訳です。

 

猫を師匠と仰ぐ僕としては、他力本願ではなく、あくまでも野生生物として生き残ろうとする黒猫こそ、師匠として尊敬すべき存在だと思っているのです。その生き様には、学ぶ所しかありません。

 

師匠に喝を入れられたので、頑張って坂を上っていきます。続きは次回に。それではまた!