【八王子市】心源院(3) | ぼっちあるき

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歩きながら考えてみた

心源院の境内を探索しています。

 

 

天然の立派な鳥居が聳え立つ秋葉神社。火防(ひよけ)の神なので、鳥居の奥には火に強い石の祠が建てられています。

 

 

「松姫の山越え杖」と名付けられた太い枝が数本置かれています。頑張ればここから陣馬山(標高854.8m)の山頂を目指すこともできます。信玄が陣を張ったことに由来するという陣馬山(陣場山)は、山頂がフラットなため陣馬高原の名で有名ですね。登山靴買ったら登ってみたいと思います。

 

 

レトロな灰皿を発見。後ろにある「東京マラソンの森」の案内板は、マラソンのチャリティ募金を利用して「花粉の少ない森作り」をしていることが書かれています。それはそうと、一服したいのでベンチはないかな。

 

 

こりゃムリだな。しょうがない。立ったままで一服しよう。現代でもこんな感じだから、松姫(信松尼)が暮らした頃は、もっと隔世感が強かったでしょうね。

 

 

納骨墓という新たなお墓のスタイル。都心にあるビルの中のお墓に近いコンセプトですね。一部屋約50万円からで、年間の維持費が5千円となっています。お墓の在り方が激変しつつある時代に、お寺にも様々な工夫が求められています。

 

 

こちらは花壇墓地。「花園の中に、眠る。」というキャッチコピーで、「花ごころ」と名付けられています。脳内ジュークボックスが"L'Arc~en~ciel"の「花葬」を選曲しました。このお墓のコンセプトとは全く違う雰囲気の曲ですが、hydeという天才詩人が綴るリリックは、平安期の九相図を想起させます。

 

花葬は火葬と同じ音でありながら、hydeは風葬の死体に餞(はなむけ)として花びらが舞う様子を歌っています。日本には、世界三大美人と謳われた小野小町の九相図も残されています。死後を物理的に観察することによって、人々は何を感じたのでしょうか。

 

朽ち果てて鳥獣に食い荒らされ、骨だけが残る現実。それではあまりにも報われない。体が失われても、人間として生きてきた証が残るはずだ。それが、20世紀初頭に発見されたという魂の重さ(21g)なのでしょう。物理的な質量を算出することによって魂を現実と捉えるのは、そこに救いを求めているようにも思えます。

 

次回は松姫の寺を後にして、庚申塔を見に行きます。それではまた!