【大田区】池上本門寺 | ぼっちあるき

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歩きながら考えてみた

呑川を下って、池上本門寺にやって来ました。

 

 

まずは九十六段の階段を上ります。九十六段の階段は、偈文(げもん)と呼ばれる仏典が九十六文字(四文字漢文×24)であることに由来しており、加藤清正が寄進したものだそうです。

 

此経難持(しきょうなんじ)坂と名付けられていますが、これは偈文の冒頭部分で、「この妙法蓮華経を受け保つことは、大変な難事である」といった意味です。

 

 

日蓮上人の草庵を横目にしつつ階段へ。

 

 

左側通行になっています。

 

 

階段を上り切った所に聳え立つ仁王門。

 

 

右手には日蓮上人の説法像があります。池上本門寺は、日蓮入滅(1282年)の地です。日蓮は、湯治のために身延山から常陸へ向かう途中でした。

 

 

左手にある鐘楼。空襲で破損したものも並べられています。

 

 

参道右奥の五重塔。こちらは奇跡的に空襲を免れています。

 

 

五重塔周辺には墓地が広がっており、幸田露伴等、多くの著名人の墓所もあります。写真は、力道山の墓所に立つ銅像です。戒名にも「力道」の名が入っています。

 

大相撲(関脇)からプロレスに転向した力道山。その最期は、「足を踏んだ踏まない」の言い争いで暴力団員と喧嘩になり、ナイフで刺されて亡くなりました。享年39歳。

 

 

墓所を後にして、大堂へと戻って来ました。日蓮(祖師)が祀られているので、祖師堂とも呼ばれます。二度の火災と空襲のせいで、現在の建物は三代目です。

 

 

大堂から見た仁王門。門前の池上小学校でお祭りをやっていたせいか、日曜日というのに参詣者が少ないですね。

 

 

国の重要文化財に指定されている多宝塔。荼毘に付された日蓮の供養塔です。その威容には圧倒されます。

 

 

多宝塔から階段を下りると、大坊本行寺に出ます。境内に喫煙所があったので一服。

 

 

本行寺の境内で写真を撮っていると、突然おじいさんが話しかけてきました。

 

「こんにちは。私は近くに住む81歳の者です。散歩に来たらあなたが写真を撮っていたので、いい事を教えてあげようと思いまして、よろしければどうぞこちらへ」

 

連れて行かれたのは写真右手の納骨堂で、扉の左右にある龍の彫刻についての蘊蓄でした。

 

「右が雄で、目線が上から下。左は雌で、下から上目線。下からの目線は迫力がない。人間も女は(以下男尊女卑な価値観に基づく発言)。作者は彫刻は上手いが、(刻まれた)自分の名は下手だ(以下作者ディスリ)。昔は軍隊で(以下戦時中の思い出)」

 

「いつまで続くかなぁ」と内心思いつつ、「木目を活かした彫刻である」という情報をキャッチした所で、丁重にお礼を言ってお別れしました。

 

さて、そろそろ川下りへ戻らなければ。続きは次回に。それではまた!