入江一子画伯
8月10日に老衰のために
お亡くなりになったとの記事を
拝見しました。
享年105歳
 
ご冥福をお祈りいたします。
 
 
初めて、作品を目の前で拝見したのは
2017年1月 上野の森の美術館で開催された100歳記念展
~百彩自在~
でのことでした。

 

200号のキャンバスに溢れるばかりの色彩と

ユーラシア大陸に降り注ぐまっすぐな太陽の光。


代表作 トルファン祭りの日

 

この時、入江先生のお話でブドウの原産地は、

シルクロードのウイグル自治区周辺であることを知りました。

 

トルファンの祭は、収穫を祝う祭りの踊りを

描いたもので

今にも鈴や太鼓などの軽快なリズムに合わせ

踊る女性の姿が飛び出さんばかりに勢いがあり、ほとばしる様なエネルギーが絵から

伝わってきます。

 

150㎝弱という小柄な画伯の身体から

迫力のある絵が生み出されるのかと思うと

講演を聞きながら、絵に対するパッションに

圧倒されっぱなしだったことが

懐かしく思い出されます。


 

この作品は、トルファンの祭りの時に現地で

描いたデッサンになります。

 

 

200号シリーズからもう一枚は、

長雨にたたられ途中から耕運機とロバで

山道を登り、

高山病に見舞われながら

同行した方に両脇を支えられて

本物のブルーポピーをみた感激を作品にした

四姑娘の青いケシ。

 

見たものの感動の大きさと印象に残ったものが

何であるのか端的に描かれていて

その力強さに目を奪われます。

空気の薄い4000mを超える環境に

可憐に咲き誇る花々。

 

この絵は、普段、立川市にある立川中央病院の

エントランス入ってすぐ左手に飾られ、

ここの病院を訪れる患者さんに

エネルギーを与え、癒しになっているのではと

感じます。

 

 

 

50歳から30年かけて取材した
シルクロードへの旅。
乾いた大地の豊かな文化と自然、
降り注ぐ陽の光を
豊かな色彩で描いてきたその足跡は、
そんな奥地まで足を運んだのかと
感嘆するばかりです。
 
好奇心と探究心、胃袋の強さがあってのこと。

 

 

生前、アトリエ兼お住まいであった場所は、

週末のみ開館する美術館になっています。


訪れた時、アトリエには、

何枚も200号のキャンバスがあり、

休んでは描き、描いては休みし

手元に置いてある作品に

飽かずに手を入れられていたと

助手の方が話してくれました。

 

また、落ち着いたら入江先生の絵に

パワーを貰いに

行きたいと思います。

 

入江一子シルクロード記念館