昨日、メンテナンスの間に訪ねたサントリー美術館の扇の国、日本のことも描きたい気持ちもありますが、会期終了日に駆け込むように畠山記念館で開催さている「原三渓 茶と美術へのまなざし」を見に行ってきました。

ここはこじんまりとして、特に紅葉の季節はお庭が美しい。曇天気味だったのが少々悔やまれます。


紅葉がまだ残って風情があったのでお茶室のある方まで足を伸ばしてみました。








篇額は、畠山即翁が筆をとったもの。

畠山即翁は、益田鈍翁に勧められて古美術や茶道具を収集するようになったと言われていますが、原三渓もまたしかり。

原三渓は、富岡製糸場で有名な帝国蚕糸の社長や今の横浜銀行の頭取を務め、古美術コレクターで茶人、小林古径や前田青邨の援助を行ったといいます。益田鈍翁が一目を置き、侘びの世界を愛でていた様が書簡からも伺います知れています。

原三渓が亡くなった際、収集したものが国外に流出しないよう畠山が譲り受けたものを展示しています。

二階の展示室に上がると、赤楽茶碗の 銘 李白が迎えてくれました。

中興名物 古瀬戸肩衝茶入 銘 畠山 は、銘が畠山とあり、これがある故、是非にと譲ってもらったという逸話があります。

前日、サントリー美術館で酒井抱一の扇絵を見たばかりでしたが、畠山でも三幅掛軸がかかっていました。

他にも素晴らしいお道具がたくさんあり、手に入れたころは、実際に茶室で使われていたことを考えると溜息が出てしまいます。

この日、母は中目黒でお茶会があり出かけていたのですが、夜、目録を見ながら話をしていると来年の5月に三渓園で普段は入れない建物を利用して茶会が開かれるということで一緒に行ってみると誘われました。

年も越す前から、新緑の頃、しかも元号が変わったあとの話と日々の事に追われがちなので、ちょっとばかりハッとさせられました。