いつもイイネをくださる方々ありがとうございますおねがい個人的にキュンキュンするところをかいつまんであらすじを書いてますが、同じところで共感してもらえてるのかなとか、楽しみに読んでくださっているのかなと思うと、とっても書く励みになっていますおやすみ

 

早速、前回の続きです!前回はこちら↓

いよいよ黒子が積極的になってきて、今回は師青玄が自分の気持ちに気付き始める...かもしれません。

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家ができてからも師青玄は昼間は説書や絵画を売ったり、廟でお粥や薬を炊いてみんなの様子を見て回り、遅くなってから家に帰る日々が続きます。家ができたことを知ると、みんな師青玄にこれまでのお礼を伝え、自分の生活を優先するように言います。農作業や肥料、織物で収入は安定していて、絵画を販売したお金もあるので、廟のみんなで回すこともできるようになります。

 

ある日、黒子が家にやってきました。「今日時間があってたくさん麺作ったから、湯がいてあげるよ!」師青玄は嬉しそうに言いながら、かまどで水を沸かし始めました。「先にお芋でも食べててよ!今焼き立てなんだ。」その後いろんな話をしますが、反応がないので振り向くと、黒子が何か持って入ってきたので、「もう家のものはたくさんもらったから大丈夫!」と言いますが「これは自分で作ったんだ」という黒子。黒子は師青玄が絵画を持ち運びしやすいように加工した竹の筒を作ってきたのです。師青玄は「いい考えだね!黒兄が思いついたの?」と喜びながら尋ねますが、黒子はまた馬鹿なこと聞いて・・と思いながら次々に芋を口に放り込みます。

 

黒子が三つ目の芋を口に入れようとした時「皮はたくさん食べるとお腹が張るよ!」と言って、師青玄は取り上げて皮を剥いてあげようとました。片腕が不自由なので、皮を剥くのも簡単ではありません。熱いし、手にたくさんつくし、芋もボロボロに崩れます。「ごめん。崩れたからこれは俺が食べるよ。他のは全部食べて。」「いや、いい」そう言うと、黒子は師青玄の芋がたくさんついた手をとり、指を口に入れて舐めました。師青玄はしばらく呆気にとられて、その後「水沸いたかな、麺湯がくよ!麺!」と言って慌てて立ち去りました。首から耳まで真っ赤になって逃げる師青玄を見て、黒子は低い声で笑いました。

 

師青玄はかまどの前で、必死に冷静になろうとしました。続いて黒子も庭に入ってきたので、まっすぐ立つと身体の変化に気づかれそうで、師青玄は謝憐が困った時によく道徳経を唱えているのを思い出し、お経の内容までは思えていないので、「道徳経道徳経道徳経・・」と数十回唱えて、やっと落ち着きを取り戻します。

 

落ち着いてから鍋に麺を入れて湯がきます。二人で並んで秋風に吹かれながら食べている時、黒子は師青玄のお椀には汁ばかりで麺は数本しか入っていないことに気づき、自分の麺を入れてあげます。食べきれないよ、さっき芋も食べたし、ぶつぶつ言いながらも師青玄は全部平らげるのでした。しばらくして、もうそろそろ帰るから早く休めよ、という黒子を見送り、部屋に戻った師青玄は、指をしばらく見つめるのでした。

 

ある日、師青玄は馬車で怪我しそうになった子供を助けた時に、その母親からひと籠の卵をもらいます。「大したものではありませんし、見た目も難がありますが、栄養があるので是非召し上げってください」そう言ってもらった卵は、売り物にならないような形でしたが、たいそうな物をもらったかのように師青玄は興奮してお礼を言いました。帰り道、何を作ろうかあれこれ考えながら嬉しさでいっぱいでした。

 

家に帰って少しすると、戸を叩く音が聞こえます。例の三人組が道中ついてきていたようで、戸を開けるや否や、袋叩きにあいます。この前謝憐のところで人助けした時に目をつけられ、いつも黒子がそばにいることで手を出せなかったところを、今日は一人なのを見て、後をつけてやってきたのです。激痛でうずくまる中、顔に向かって次々に拳が降りかかります。三人は部屋を見渡して物を次々と破壊しながら「風師扇はどこだ?出さないと小屋ごと燃やすぞ!」と脅します。師青玄は痛みで震える手で胸元から風師扇を取り出して渡します。その後三人は大きな笑い声を出しながら、去っていきました。

 

しばらくして師青玄は座り、部屋の破壊された物達を見て涙を流します。どの物も黒子の気持ちが詰まった物なのにこんなに破壊されたことへの涙、そして黒子に食べさせてあげようと思っていた卵が籠ごと落ちて割れてしまったことへの涙でした。

 

夜になり、黒子は風師扇の位置が師青玄の行動範囲にないことを不思議に思います。どうして街のあんな場所にあるんだ?訝しみながら、師青玄の家に向かいます。小屋に入ると灯りは点けておらず、部屋は荒れていました。師青玄は片隅で残骸を片付けてるのを見て、師青玄がさらわれていないことにほっとします。

 

物音を聞いて師青玄は体をこわばらせ、黒子だとわかると、反対を向いて片付けを続けました。「こっちに来ないで、大丈夫だから。少ししたらお粥炊いてあげるよ。」「何言ってんだ、馬鹿!お粥なんか良いから、顔見せろ」そういうと、師青玄の片腕の抵抗も虚しく、顔いっぱいのあざや出血が目に入ります。その痛々しい姿を見て、黒子は自分の怒りを抑えるのに必死でした。

 

黒子は師青玄を連れて裏庭に行き、水を沸かして師青玄に沐浴するように言います。沐浴しながら、黒子は後ろに座って師青玄の髪を洗います。「ごめん、黒兄。どれも黒兄の思いが詰まってるのに、守れなかった」「お前のせいじゃない」そんな感じのやりとりをして、また沈黙に入ります。「廟の人には人生をやり直すように説得するのに、どうしてお前はそれができるのに、いまだに乞食みたいな身なりでいるんだ?」少しの間、師青玄は言い訳を考えて「それは、狂ってる乞食が説書すると面白いからだよ」と言いましたが、黒子はそんな言い訳信じません。何度師青玄にどうして乞食でいるのか、手脚を治療しないのか聞いても、いつもはぐらかされます。「どっちにしろ乞食はもうやめろ」黒子は言いました。時間をかけて師青玄の髪を丁寧にといたら、立ち上がり、師青玄のボロボロの着物を火に投げ入れます。止める暇もなく、着物は燃えてしまいました。師青玄は諦めて部屋から他の着物を出して着ました。

 

「目をつぶって口開けろ」その通りにすると、口の中にゆで卵が入れられます。卵を口に入れ、片頬を膨らませた師青玄を見て、リスみたいだと黒子は思わず笑います。「一つだけ生き残った卵だ」それを聞いて師青玄は口から卵を出し「それなら洗って半分こしよう」と言います。黒子はそのまま手に取り、半分噛んで食べると、もう半分を師青玄に返します。師青玄は呆気に取られて、黒子が食べ終わって飲み込んでも、まだ身動き取れずにいました。黒子は見かねて、師青玄の分の卵を師青玄の口に入れます。師青玄は急いで後ろを向きます。噛んでも噛んでも味がわかりません。火照った体、真っ赤な顔を見られなくて良かった、と思うのでした。

 

寝室に行くと「今夜は早く休め。傷だらけだし、しばらく外に出るな。廟のことも任せろ」そう言って黒子は布団をかけてあげます。師青玄も疲れすぎて、寝床に入るや否やすぐに寝付きました。寝ついたのを確認すると黒子は灯りを消し、暗闇の中、黒い煙になって小屋から出ていきました。

 

「この風師扇、もし本物ならいくらで売れるだろうな?」「そりゃあ本物だよ。みんなあいつがこれで皇城を救ったって言ってたじゃないか」「もしこれ修理ができたらもっと高値で売れそうだな」三人組は手に入れた風師扇でそんな話をしていました。その時、どこからか風が吹き、灯りが全て消えます。暗闇の中、手探りで部屋の扉を開けると、次の瞬間三人は水に落ちてしまいます。泳いで近くの岸に上がると、そこには発狂した人間か鬼かもわからない見た目の生物が鉄檻にたくさん入っていて、あたりの臭いはひどく、檻の隙間からみんなこちらに手を伸ばしてきます。三人は理性を失いそうになりながらも、その奇妙な生物達が少なくともまだ鉄檻の中にいることに安心して、怯えながら歩き始めます。少し歩くと建物が目の前に現れたので中に入ります。殿の中央には人が座っていました。「すみません、間違って入ってしまって」「君たちは盗賊だな?・・早く出せ。副葬品にするつもりか?」三人はなぜ強盗したのが分かったのか理解できないながらも、一人が震える手で風師扇を出しました。

 

「今回は許してください!家族を養うために道を外れてしまいました!もう二度としないのでお許しを...」しばらくして「反省したなら命は救ってやる。廊下に沿って進んで、呪文が描いてある扉があるから一人一人通れば元の世界に帰ることができる」三人はお礼を述べ、言われた通りに進んでいきますが、扉を前にすると他の人を押しのけて我先に通ろうとします。扉を抜けると三人は一体化してしまっていて、先ほど岸にあった鉄檻の中に入っていました。それを見て、「あ・・一人一人通れば元の世界に戻れるって言ったのに。もう手遅れだ。用事あるからじゃあ」そう言って黒子の姿に戻り、立ち去りました。その姿を三人は見て驚きますが、鉄籠の中の発狂した生物達が寄ってきて、すぐに三人は見えなくなりました。

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やっと三人組が成敗されましたね。強い鬼の好きな人をいじめたら大変な目に遭います。誰が鬼で、誰が鬼の好きな人かなんて分かったもんじゃありません。普段から悪いことはしてはいけないですね。

ただでさえ長いのに、どうして芋のくだりを書くのかって、芋のくだりが甘すぎるからです。ボロボロに崩れた芋、最高照れ小ぶりのゆで卵、最高ラブ

黒子が風師扇の位置がわかるのはきっと骨にアレが混ぜられてるからです。そうなると、花城が早々と謝憐にネックレスを渡したのも、位置がわかるからだったりして...おねがいと色々想像が膨らみます。

そして、謝憐と風師の影響を受けて、今日から困った時や緊張した時は道徳経唱えようと思っています。「道徳経道徳経道徳経...」誰か是非一緒に...