先生 4
彼からメールが来た。
明けましておめでとうございます。
年賀状ありがとう。
アドレスが書いてあったので送ってみました。
今年もよろしく。
あたしは不思議とメールが来たことには驚かなかった。
確信があったのかもしれない。でも嬉しくて嬉しくて体中震えていた。
冬休みが終わり、新学期に入り、先生と生徒に戻っても、あたしたちはちょこちょことメールをしていた。
メールをした次の日、先生に会う時はドキドキだった。
何か悪いことをしているような感じで、彼と目があった時に彼があたしに向かって見せるニヤッとした笑顔を見るたびにあたしは心臓が止まりそうになった。秘密を共有することで、あたしたちの距離は確実に近づいていった。
あたしたちは自分たちのプライベートや趣味の話をするようになった。
彼には不幸な過去があり、それも全て話してくれた。
しかし、彼はあたしがそれとなく送る学校外で会いたいというメールを上手にかわしていた。
さすがにまずいと思ったのだろうが。
バレンタインが来た。
あたしは愛情をたっぷりと込めた手作りチョコレートを彼に渡した。
あたしは彼を困らせるようなことは言わなかったし、彼は嬉しそうにそれを受けとってくれた。
ホワイトデーの日。
あたしの他にも彼のファンは何人かいたので何人かが彼に呼び出された。
あたしは少し時間をずらして、一人で彼のところに行った。
彼から何か言われることを期待していたわけじゃない。
ただ、2人きりが良かった。
彼はあたしに少し高級な銀のシャーペンをくれた。
銀のシャーペンには何か英語が彫られていた。
affection
苦手科目英語だったあたしはもちろん意味など分かるはずもなく、家に帰って辞書を引いた。
愛情。
目を疑った。
これは何か意味があるのだろうか、メッセージなのだろうか。
けど、あたしはそこには確信を持てず、何も出来なかった。
そこから特に進展することもなく、中学生3年生公民の最後の授業日を迎えた。
あたしの学校は中高一貫校だったため生徒はそのまま高校にあがり、先生たちも変わらない。高校で公民はないので先生の授業を受けられなくなってしまうが、会えなくなるわけじゃないから少し気は楽だった。
授業はいつも通りだった。
1番前の席でいつも通り彼の目を見つめた。
そして、授業の終わりが近づき、いつも通り授業が終わると思ったその時だった。
明けましておめでとうございます。
年賀状ありがとう。
アドレスが書いてあったので送ってみました。
今年もよろしく。
あたしは不思議とメールが来たことには驚かなかった。
確信があったのかもしれない。でも嬉しくて嬉しくて体中震えていた。
冬休みが終わり、新学期に入り、先生と生徒に戻っても、あたしたちはちょこちょことメールをしていた。
メールをした次の日、先生に会う時はドキドキだった。
何か悪いことをしているような感じで、彼と目があった時に彼があたしに向かって見せるニヤッとした笑顔を見るたびにあたしは心臓が止まりそうになった。秘密を共有することで、あたしたちの距離は確実に近づいていった。
あたしたちは自分たちのプライベートや趣味の話をするようになった。
彼には不幸な過去があり、それも全て話してくれた。
しかし、彼はあたしがそれとなく送る学校外で会いたいというメールを上手にかわしていた。
さすがにまずいと思ったのだろうが。
バレンタインが来た。
あたしは愛情をたっぷりと込めた手作りチョコレートを彼に渡した。
あたしは彼を困らせるようなことは言わなかったし、彼は嬉しそうにそれを受けとってくれた。
ホワイトデーの日。
あたしの他にも彼のファンは何人かいたので何人かが彼に呼び出された。
あたしは少し時間をずらして、一人で彼のところに行った。
彼から何か言われることを期待していたわけじゃない。
ただ、2人きりが良かった。
彼はあたしに少し高級な銀のシャーペンをくれた。
銀のシャーペンには何か英語が彫られていた。
affection
苦手科目英語だったあたしはもちろん意味など分かるはずもなく、家に帰って辞書を引いた。
愛情。
目を疑った。
これは何か意味があるのだろうか、メッセージなのだろうか。
けど、あたしはそこには確信を持てず、何も出来なかった。
そこから特に進展することもなく、中学生3年生公民の最後の授業日を迎えた。
あたしの学校は中高一貫校だったため生徒はそのまま高校にあがり、先生たちも変わらない。高校で公民はないので先生の授業を受けられなくなってしまうが、会えなくなるわけじゃないから少し気は楽だった。
授業はいつも通りだった。
1番前の席でいつも通り彼の目を見つめた。
そして、授業の終わりが近づき、いつも通り授業が終わると思ったその時だった。
先生 3
秋が過ぎ冬が訪れ、冬休みに入った。
残されるのは、あと3学期のみとなってしまい、あたしは若干の焦りを感じていた。
何かアクションを起こさなければ。
違う、起こしてもらわなきゃいけない。
あたしは彼に年賀状を書いた。そして、自分の住所の隣にメアドを書いた。
送ってくれというような内容は一切書かず、ただメアドだけを書いた。
賭けだった。
真面目な彼が授業を熱心に聞き、毎回テストで高得点を取るあたしを好いてくれているのは分かっていた。
彼が越えてくれれば確実に何かが変わる。
あたしはお正月を待った。
1月1日。
明けましておめでとうございます。
私のメールの受信箱には知らないアドレスからのメールが入っていた。
……勝った。
残されるのは、あと3学期のみとなってしまい、あたしは若干の焦りを感じていた。
何かアクションを起こさなければ。
違う、起こしてもらわなきゃいけない。
あたしは彼に年賀状を書いた。そして、自分の住所の隣にメアドを書いた。
送ってくれというような内容は一切書かず、ただメアドだけを書いた。
賭けだった。
真面目な彼が授業を熱心に聞き、毎回テストで高得点を取るあたしを好いてくれているのは分かっていた。
彼が越えてくれれば確実に何かが変わる。
あたしはお正月を待った。
1月1日。
明けましておめでとうございます。
私のメールの受信箱には知らないアドレスからのメールが入っていた。
……勝った。
先生 2
早速あたしの猛烈なアプローチは始まった。
とはいえ、当時のあたしは純粋そのものだったからアプローチの仕方なんてかわいいものだった。
まずは彼の授業中、1番前の席で彼の目を見つめ話を聞く。
質問は授業が終わったあと個人的に聞きに行く。
テストは満点をとる。
あたしは解答用紙を返却される時に、彼があたしの耳元で「今回も学年トップだよ。」と囁いてくれることに至上の喜びを感じており、その一瞬のためなら努力を惜しまなかった。
彼はあたしの努力を認めてくれた。
テスト前に質問があるからと言って家に電話をかけたりしても、快く答えてくれた。
そう、あたしには分かっていたのだ。
あたしが生徒という枠から外れるような行動をとらない限り、彼があたしを拒むことはない。
例え拒みたくても拒めない。
拒んではいけないのだ。
あたしはそこにつけこんで少々大胆な行動もとったが、生徒の枠から外れるようなことはしなかった。
越えるのはあたしじゃない、彼の方だから。
最初は他の生徒と全く変わらない扱いを受けていたが、秋頃には
「もうテストまで授業ないから…なんかあったら電話しなね。」
というようなことも言ってくれるようになった。
私はその秋、付き合っていた彼に別れを告げた。
理由はもちろん 先生 である。
