風邪の季節になりましたね
でも、抗がん剤治療中は、風邪だと思っても油断大敵
普段なら、「熱っぽい」「咳が出る」時には
「温かくして早く寝る」「市販薬を飲む」「栄養のあるものを食べる」
で良いのだけれど・・・・
治療中の発熱は特に注意
白血球が減るから・・・はみんな知ってるはず
でも、その危険さをどのくらい理解しているか
ちょっと心配な今の季節
国立がん研究センターのように標準治療になれた施設では
抗がん剤治療中には、抗生物質を自己管理させる
金魚の中核病院でさへ2種類自己管理
シプロフロキサシン®錠200mgという抗菌薬
38℃以上の発熱時に、朝昼夕食後1錠ずつ服用し熱が下がっても7日間飲みきる
カロナール®錠200mgという解熱鎮痛剤(頓服)
38℃以上の発熱時に、1回2錠服用6~8時間毎に追加可能
自己管理無しの病院もあるみたい・・・
怪しい時は、定期外でも受診か電話は遠慮しない方が良い
血液の中、白血球は4,000〜9,000/mm3(1mm3あたり4,000〜9,000個)
うち好中球は2,000〜7,500/mm3
白血球が2,000/mm3以下、好中球が1,000/mm3以下になると
感染症が増加するといわれてる
好中球は、抗がん剤投与後約7〜14日ごろに最も減少し
「発熱性好中球減少症」(FN)は、危険な副作用として知られている
がん化学療法の副作用の中で死亡率が最も高い(1~10%)
実は、感染場所が不明のもの:40%•
非感染性(腫瘍熱、薬剤熱など)のもの:10%
つまり無症状のまま進行してしまう人もいるってこと
逆に感染症状、どこか痛いとか、腫れている、赤くなっている
というのはレッドカード(もちろん発熱も)
FNは、好中球数が500 /μL(/mm3)未満または1000/μL未満
その後48時間以内に500 /μL未満に減少すると予測される状態
かつ腋窩温が37.5度以上(口腔内体温38度以上)の発熱を生じた場合と定義される
大腸がんのFOLFOX療法でも 6%に発症
FOLFIRI療法では、 9.3%に発症
血液がんや、肺がんの方の発症率は更に高い
FNになると死に至ることもあるから、速やかな治療が必要
特に好中球数が100個/μL未満の場合は、24時間以内に抗菌薬を開始しないと死亡率が上昇する
緑膿菌による菌血症では、適切な抗菌薬の点滴治療を24時間以内に開始しても
死亡率は27.7%、治療が遅れた場合は43.3%
合併症の無い、低リスクの場合でも
不安な場合は、病院に連絡すべきだし
自己管理のシプロフロキサシンを服用し24時間で効果がなければ
採血をしてもらって、点滴による抗菌薬への切り替えなどの対応が必要かも
ハイリスクの人は、食事水分が取れない時や
合併症がある時には、とにかく慎重にかかりつけ医と連携して欲しい
体内に感染源となりうる:むし歯、膀胱炎があるとか
怪我だって心配だし、血圧低下、肺炎、腸炎、ポートの感染
易感染になりやすい糖尿病など
注意すべきことはたくさんある
白血球が下がる時期には
人ごみを避けて、感染症に注意するだけでなく
体調不良が長引いていたり
どこか変な時は様子を見ずに相談しましょう
部位 | 症状 |
口腔 | 口腔内の発赤・腫れ・痛み、歯の痛み |
上気道 | 鼻水、のどの腫れ、痛み |
肺・気管支 | 咳、痰(たん)、息苦しさ |
消化器 | 腹痛、下痢、吐き気 |
肛門 | 肛門周囲の発赤・腫れ・痛み |
尿路 | 尿のにごり、尿意の増加、排尿時痛、残尿感 |
皮膚 | 唇や皮膚の痛み、水疱 |
その他 | 38度以上の発熱、寒気、震え、頭痛、関節痛など |