コーヒー飲用ががんに予防的に関連
という話題は最近注目されていた
前向き研究もイスラエルはじめ海外でも、結果も出ていた
メカニズムとしては炎症、インスリン抵抗性、インスリン分泌過多といった大腸発がんに関連した病態への予防的な作用がある
大腸に良いとされるポリフェノール(主にクロロゲン酸)、メラノイジン、ジテルペン、カフェインなどが含まれているし
抗酸化作用や細胞の変異抑制によって、胆汁の分泌を抑えたり、腸内細菌叢の組成を変えたりして腸機能を促進している可能性がある
ところが・・・
日本の疫学研究に基づく関連性の評価の結果
日本人においてコーヒー飲用と大腸がんの関連を決定づける科学的根拠は不十分という結論
by国立がん研究センター予防研究グループ
http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/27174958
国内のコホート研究のメタアナリシスによる
メタアナリシスとは・・・
複数の研究の結果を統合し、より高い見地から分析すること、またはそのための手法や統計解析のこと
そもそも海外のコーヒー飲用と大腸がんの研究を総括したメタアナリシスの結果は一致しておらず、対象となった研究は主に欧米のもの
ということで、日本のものを統合して分析したとのこと
5つのコホート研究&9つの症例対照研究
http://epi.ncc.go.jp/can_prev/evaluation/3839.html
報告によって結果がばらついていたため
摂取量最低群に対する最多群の相対リスクを推計するメタアナリシスを実施
その結果、コホート研究では有意なリスクの上昇または低下はみられず
症例対照研究ではコーヒーの頻回摂取による大腸がんリスクはOR=0.78、95%信頼区間0.65-0.95と、有意なリスク低下あり
ただし、症例対照研究の結果は思い出しバイアスや選択バイアスの影響を受けるなどの理由により、注意深く解釈する必要があり
この結果は、主に欧米で行われた研究をまとめた最近の系統的レビューやメタアナリシスの報告と一致しているそうで
信頼性の高いコホート研究を対象としたメタアナリシスの多くは有意なリスクの低下は認めていない
・・・・結論、コーヒーの摂取が大腸がんを予防するということは明確にいえず
コホート研究の限界というところでしょうか
まあ、成分は良いものが入っているし
リラックス効果はあるので、期待しすぎず
変な脂肪酸の固まりであるコーヒーフレッシュなどを入れずに美味しくいただいて
ストレスを低減しましょうかね