海外患者帰国搬送 ~アメリカからの帰国~ Ⅳ | 民間救急移送の軌跡 ~海外患者医療搬送、全国患者移送の足跡~

民間救急移送の軌跡 ~海外患者医療搬送、全国患者移送の足跡~

海外患者医療搬送・全国民間救急搬送の仕事紹介と日記、
世界の国々に訪れた街や食べ物、全国の美味い物を御紹介します。

 

北米大陸と太平洋を越える夜間飛行は順調であった、

窓外はもちろん漆黒の闇。

 

 

定刻午前5時に羽田空港に機体が降りるのであれば、

スポットに接着し降機する頃ようやく陽が昇るはずである。

 

 

機上の人となった患者さんは、

安心されたのか深い眠りについていた。

 

 

日本に到着後はターミナル間を車で移動し、

国際線から国内線への乗り継ぎ、

ストレッチャーを組み込んだJAL便で再び1時間の空の旅、

伊丹空港へとむかう。

 


 

帰郷の旅はいよいよ大詰め、

伊丹空港からは陸路で関西の病院へと移動、

病院到着後ニューヨークから託された患者さん情報が引き継がれる。

 

 

「長い時間ありがとう」そう言われると、

患者さんは笑顔で故郷の病院の病室へ消えて行かれ、

ニューヨーク・マンハッタンからの患者さんの長い旅は、

無事に完結した。
 

 

「一期一会」の私たちの仕事はここまでであるが、

患者さんにとって社会復帰に向けてのリハビリは、

ここからがスタートであり「ありがとう」の笑顔の向こうには、

「これから故郷で治療頑張るよ」という覚悟と思いが感じられた。

 

準備に少しばかり時間はかかるが、

ほんの数キロ離れた市内の搬送と変わりのないモチベーションで、

何万キロも離れた海外患者搬送は当たり前のように行われる。

なぜなら、いつ何処にいても患者さんの「帰郷の念」に、

変わりはないからである。

 

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