映画『スリングショット(原題:叱咤風雲)』(2021年台湾・香港) | 今天有空嗎?

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<未体験ゾーンの映画たち>にて駆け込みで2021年の映画『スリングショット』(原題:叱咤風雲)を鑑賞。

予告編はこちら↓。

 

『スリングショット』(原題:叱咤風雲/2021年/台湾・香港/105分)

 

経営難に陥ったアジア・スーパー・プロリーグのかつての常勝チーム・ライオンズ。女性レーサーのリーリーは、高校の同級生でe-sports(カーレース)のプロプレイヤーとして活躍している天才ゲーマーのジエコーがSNSで「鈴鹿でテストを受けた」ことを知り、チーム再生のため彼に声をかけるが・・・


ジェイ・チョウの『頭文字D THE MOVIE』(2005年)を見ていないので、おそらく面白さ半減だったかもしれないが、それでもジエコーがパンダトレノ「藤原豆腐號」に乗ってストリートレースで挑戦を挑む相手が本作の製作総指揮ジェイ・チョウで、白黒の車体に付けられたナンバープレートが「86」だったことに思わずニヤニヤしてしまうくらいの知識はあったわけで、それなりに楽しめた本作。

 

e-sportsのカーレースなら天才的なドライバーでも実際の運転はまるでダメなオタク青年が、短期間の訓練で(というか、爆音が苦手で、耳栓をしたとたんにゲームプレイ時の手腕を発揮できるようになる)車を操ってGTカーレースでプロのトップレーサーたちと並んで走れるようになるわけもなく、いくらキャリアが長くたって、雲一つ出ていない状況でレインタイヤに履き替えて見事勝利を収めるなんて奇跡が現実に起こるわけもなく(このくだり、めちゃくちゃ好きなのだが)、車は宙を舞い、チームオーナーは自宅を売りに出してまで資金を捻出するほどのお人よしetc・・・もう、これぞスポ根漫画!な要素満載&ミラクルな展開がたまらなく面白い作品でした。気負わず楽しめる娯楽作。ド派手なアクションにCGをここまで満載の作品を台湾映画が作れるようになったのかー、と感慨深くもあり。(『海角七号』や『KANO』の船のシーンのCGが頭をよぎりましたよ、ええ。)台湾のカーレース事情なんて全く知らなかったのだけど、ちょっと興味も湧きました。

 

ライオンズのトップレーサー・イーフェイを『海角七号』のファン・イーチェン、ジエコーを『KANO』のツァオ・ヨウニン、イーフェイのライバルをガオ・インシュエンが、そしてチームオーナーをお久しぶりのアラン・コーが演じていて、何というか2010年前後に台湾映画にはまった私としては、何とも嬉しいキャスティング。で、リーリーを演じた見目麗しい美人さんは一体誰だったのか?というと、ジェイ・チョウの奥様のハンナ・クィンリヴァンだったということを、後で知った次第でした。

 

DVDが3月に出るみたいですね。詳細こちら

でも、機会があればぜひスクリーンで!

 

<未体験ゾーン>といえば、台湾ホラー映画をかけてくれる非常にありがたい特集上映なのだけど、

 

 

 

今回はなぜかカーレースものの映画、に何となく違和感を抱きつつ、それでも台湾映画が見れるんならラッキー、くらいな感じだったわけですが、まあ、いいよね、こういう大がかりな作品は、やっぱりスクリーンで楽しみたいのです。