「マザー・グース」:どうしてこんなに怖いのか | lideli-rev

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マザー・グース (1) (講談社文庫)
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ひとりのおとこがしんだのさ
とてもだらしのないおとこ
おはかにいれようとしたんだが
どこにもゆびがみつからぬ
あたまはごろんとベッドのしたに 
てあしはばらばらへやじゅうに
ちらかしっぱなしだしっぱなし


「マザー・グース」はイギリスに古くから伝わる童謡。
子供向けの歌にもかかわらず、ドライな残虐性とイギリス的なナンセンスが印象的。



「マザー・グース」はたぶん色んな翻訳版があると思うのですが、谷川俊太郎の翻訳が特にいいなと思います。
思い切り意訳でも、それはそれで味があって面白いのですが、詩としての完成度が違うような。
怖い歌詞が有名かもしれませんが、わりと可愛い歌詞も多いです。怖い歌詞も可愛い歌詞も、全体的にシュールでどこか不気味な感じが共通しています。
「マザー・グース」の独特の世界観は多くの文学作品に登場しています。
特にアガサ・クリスティの小説には頻出。
「そして誰もいなくなった」「ポケットにライ麦を」「24羽の黒つぐみ」「三匹の盲目のねずみ」「ねじれた家」など。
そういえば「パタリロ!」のクックロビン音頭もマザーグース。
「不思議の国のアリス」もマザーグース。
探せばもっとありそうです。

ポケットにライ麦を (クリスティー文庫)/アガサ・クリスティー
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ねじれた家 (ハヤカワ文庫 AC)/アガサ・クリスティー
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パタリロ!―選集 (22) (白泉社文庫)/魔夜 峰央
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それではここでマザーグースなぞなぞの答えです。

 二本足が三本足の上に座って、一本足を食べていた。
 四本足がやってきて、一本足を奪って逃げた。
 怒った二本足は飛び上がり、三本足をつかんで、四本足に投げつけた。

一本足はチキン。
二本足は人間。
三本足は椅子。
四本足は犬。
椅子に座った人間がチキンを食べていると、やってきた犬にチキンを奪われ、怒って椅子を投げつける、という場面でした。