昨年のオペレッタ「ルクセンブルク伯爵」稽古より



写真の左端で僕が肩を抱いているのが、リリカふじみ野を常に後ろから支えてくださっていた大日南真知子さん。



今日は5月26日にお亡くなりになった大日南真知子さん(ひなさん)を偲ぶ会がありました。



「いいから、私に全部任せておけば大丈夫だから」


口癖のように仰っていました。




いつもこちらはその言葉に甘えて、見えない部分のフォローを全て担ってくださっていたひなさん。



僕が初めてリリカふじみ野の公演で演出をした時に、ちょっとした言い合いになりました。


ひな「カーテンコールの最後に、稽古ピアニストや全スタッフも出してあげて欲しい」


「いや、それは世界観を壊してしまうので、裏方は飽くまで裏方に徹して欲しいです。カーテンコールに出すことはできません」


二人の意見は平行線でした。


「もちろん僕(演出家)も出ません。その代わり客席の最前列で立ち上がって、客席にご挨拶するのはどうですか?」


と伝えたところ。


ひな「あんたは筋(すじ)を通す人だね。よし、気に入った!筋を通す奴は私は大好きだよ」


と言ってくださいました。裏で働き、光を浴びないスタッフを心から大切にしていたひなさん。本番は客席最前列の端で僕と一緒にステージを観ていただき、カーテンコール時には一緒に起立して、拍手を共に受けました。



いつもはニコニコ笑顔で、裏で走り回ってくださっていたひなさん。最後となってしまった昨年の公演の稽古中にボソリと「私が裏でいろいろやってるのに、誰も『ありがとう』って言ってくれないんだよね…でも、それが私の仕事だから」とぼやいてくれたのが、逆に嬉しくて、その日の稽古終わりにみんなで写真撮影をしました。


それが冒頭の写真です。


はにかんだ笑顔と、どこか一歩引いたところでドンと構えているひなさんは、いつもカッコ良かった。




なんで、お別れになってしまったのかな…まだまだ会えると思っていたのに…。


僕はあなたの「気に入った!」の言葉を忘れずに、常に胸を張って生きていこうと思います。


ひなさん、ありがとうございます。

いっぱいいっぱい感謝しています。