午前中にお一人、対面レッスン。


フリーな発声練習では良い声が出るのに、音程を意識した途端に声が詰まって出なくなる状態に陥っていました。





諸悪の根源は【強迫観念】


「正しい音程」「正しい声」を意識し過ぎるが故に起きる「強迫観念」に囚われているようでした。


まず「正しい」に囚われて、声を出すことに恐怖心を抱いている状態を解消しない限り、どんな方法を施しても声は出ないことに気づき、レッスン前半はひたすら対話。


「自分の声が嫌いで…」

「合唱の時は周りに迷惑をかけていないか不安」


という言葉に辿り着き、まずはそれらを反証していきました。

「私の声はそんなに悪くない」

→「合唱団の他の人は私の声にそんなに興味はない」


…と、不必要な『思い込み』から解放されていきました。



そもそも

「正しい発声」「正しい音程」で歌うことって、そんなに大事?


→自分に厳し過ぎる

→他人の声に対しても厳しいのでは?



といった形で、強迫観念を外していきました。



大切なのはリラックス

心の緊張を解いたら、次は身体のリラックス。



左右の足に、交互に体重をかけながら、全身を脱力しながら声を出していきます。



そうやって力を抜いていった時に、最後まで緊張が抜けない場所がありました。それが…


頸椎(首と頭のジョイント部分)

でした。


様々な神経が集まる場所であり、目や鼻の裏側、そして耳のすぐ奥にある場所です。


ここが緊張していると全身の硬直を招き、声が出なくなります。



特に耳の緊張が強迫観念から起きていたであろうことから、心身ともにこの…

頸椎のリラックスこそが今回の症状の鍵

…であることが予想されました。




姿勢を直し、自分の声をあまり聞かないようにして、まずはのびのびと声を出すことを一番の目標にしてレッスンしていきました。



最後は良い声で歌えるようになっていました。めでたし、めでたし。