夜は混声合唱団「樹」の指導。


11月の音楽祭に向け、コツコツと仕上げていっています。外観は出来上がっているので、今は粗削りしつつ、少しずつ手直ししていく段階。



そんな中、声を出すことに一生懸命になっていて言葉(歌詞)がおざなりになっている傾向を見出しました。だから音が空虚に感じ、結果として声だけの音楽になっているのだと気づいたのです。



ですので、最終的に感情や表現に引きずり込まれるのは防ぐとしても、一度この時期に中身をしっかりと練り込む作業は必要だと感じました。



そこで、歌詞の中のいくつかの場面を抜き出して「自分のこと」と捉えながら歌詞を読み込んでみました。例えば「夢、追いかけ走って…」という歌詞の時に、かつての自分が思い描いた『夢』と、どう向き合うのか…など。



問いかけたら、思った以上に反応があって、各々に語ってくださる方もいました。



そして、そういったことを頭の片隅で「想う」だけで、空虚だった音に実が宿った気がしました。




僕が目指すのは「上手な演奏」でも「練習の成果」でもなく「人生を歌う」こと。それも、団員の数だけ違う人生がある。それらがモザイク模様のように折り重なって一つの音を紡ぎ上げることができたら…


それこそが合唱の醍醐味だと思うのです。混声合唱団「樹」は大人の合唱隊をめざします。