僕が大規模なクラスタ感染に巻き込まれたのは2020年秋。ミュージカルの稽古場で起きた、国内最大級の新型コロナ・クラスタ感染ということで、ニュースにも取り上げられました。その際に、保健所による調査が入り、かなり細やかなところまでデータが集まりました。


この時のデータはネット上で公表されましたが、ほとんど報道されず、その後の感染予防対策に、活かされることはありませんでした。

マスク着用について

テレビで報道されたのは「誰(主催者)のせいだったのか?」「何が悪かったのか?」という魔女狩りに近い扇動的なもの。何らポジティブな内容は示されませんでした。



この時のデータで問題となったのは、感染した全員がマスクはきちんと着用していたこと。マスクの種類は不織布、布、ウレタンなど様々でしたが、そんなことは関係なく全滅でした。問題は、別の場所で感染していた人が、その時に限って(稽古場撮影の為)マスクを着用していなかったことです。



つまり「マスク着用は感染予防にはなっていない」ということが、2020年秋の時点で明確になっていたのです。


「感染者がマスクを外したら、どんなに周りの人間が気をつけていても、感染は防げない」


これが…

「マスクを外したら感染した」と報道されたのです(某国営放送で)。逆に、「感染している人がマスクを着用していれば、周りの人がマスクを外していても、感染は防げる可能性が高い」ということは、全く報道されませんでした。




現在は厚労省も「体調悪い人がマスクを着用しましょう。それ以外の人はマスクの着用については自由」という呼びかけをしていますが、2020年秋の時点では、このことはわかっていたのですよ。



また、療養期間を終えても、仕事復帰はなかなか許してもらえませんでした。この事は医療機関・保健所にもキチンと問い合わせて「もう感染力はなくなっているから、むしろ安全です」とお墨付きをいただいたことを伝えても、テコでも動きませんでした。



「安全」よりも「安心」を優先している。


科学という事実よりも、感情で物事を判断している人が、こんなにも多いのか…と絶望しました。



データや研究結果を信じられなくなったら、「知性の敗北」。今この国はそこまで落ちぶれているのかもしれません。

 

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